すとーりー
□消せぬはその血と御身の想い
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幾度目だ。
幾度目だ?
幾度目なんだ?
ぎぃんと金属音が響き 刹那お互い反対側へと飛び二撃目を回避する
が それを認識する間も無く双方相手は目の前に迫り お互いの刃が交差する
薙刀の形をした刀は 既に小さな刃こぼれだらけとなった
息があがる俺とは違い あいつは疲れを見せない
なぜだ? いつもは簡単に深手を負わせる事が出来るのに
同じくあちこちが欠けた紅い槍
それを手に立つ そいつを見て俺は初めてゾッとした
血のような深紅の目が射抜く
それは 今まで何度となく奴の命を狙った俺が初めて見る 強い意思の込められた目
今までは『弟』相手で迷っていたというのか?
それは無い。
だってお前は
「どうした? 珍しく逃げる気なさそうじゃねーか」
――― 俺は騙されない。
消せぬはその血と御身の想い
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