すとーりー

□影絵のお伽話
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雨音だけが静かに響く夜のお話。






「雨だな」

「うん。」

「ったく 鬱陶しい」



「・・・・ 静かですねえ」







一人だけ何やら感慨深い口調に 三人の視線がその人に注がれる




「・・・・まだ寝るには早いですし
お伽話でも語りましょうか?」


言うや にこりと柔らかく微笑む

何をいきなりと思ったが 屈託の無い穏やかな笑顔に反論不可能



その中の一人がよいしょ と立ち上がる



「俺は昔聞いたからいいや

それに、どっちかと言やあ そいつら向けだろ?」


そう 言い放ちすたすたと廊下を行ってしまった


残された二人は 顔を見合わせる






「では、 昔々のお話です ――――」




ふ。と目を伏せ 語りが始まる










影絵のお伽話





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