すとーりー
□おさんぽ
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梅雨を前にしたある日の事。
しばしの別れを惜しむように 清々しく晴れ渡ったうららかな昼下がり
風変わりな一族の里にて 慌ただしく声を張り上げる線の細い華奢な青年。
「ど、何処に・・・」
常に平静を保ち 静かに佇む彼。
しかし今は見るかげもなく蒼白となり 明らかに焦りが見える
どうしようもないのは聡明な彼には解っているのだが
「長あああっ! 何処におられるのですかあああっ!!」
荘厳な宮の中、
叫ばずにはいられない 哀れな側近の声がこだました
おさんぽ
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