ストーリー

□京に潜みし汝は誰そ
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暗い闇夜の中
古来より魔が巣喰うと言われる都


 『京の都』


得体のしれぬ何かが蠢くその闇に つんざく声が響く







「なんだ? こいつら」

面倒臭そうに言うのは 左耳にのみ多数のピアスを開けた青年。

「なんやろなあ この辺最近多いねん」

返すは白い髪をきちりと切り揃えた青年。



その足元には 明らかに人ではない者
この世の物とは言えぬ容姿の何かが二つに斬られて絶命していた。



「このお人に襲いかかったりするから・・・  ん?」

白髪の青年がしゃがみ込み
ふと。 何かを拾う


そして くるりと向き直り

「気になるから ちょっと知り合いに聞いてみて来るわ」
拾った何かを袂に入れ にっこり笑う


ほぼ同時に背後で

ぶしゅうっ!!

音をたて斬られ倒れていたものが空気と一体化するようにかき消えた



「・・・こういうのが得意な知り合い か」

意地悪く笑う友にダラダラ汗を流し ごまかす言葉を探すが見つからない様子


「勝手にしとけよ 俺は手伝わねえからな
あいつらに手ぇ貸したくねえ」

薙刀のような刀を肩に担ぎ反対側に向き直る


背に向けてため息をつき

「はい おおきにです」
そう笑いを含み言うと ぽんと飛び上がり そのまま見えなくなった











京に潜みし汝は誰そ




__________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「ふう・・・一体 何なのだ!」
異形の者を切り伏せ
刀の血糊をびっとはらう

その目の前で 異形が消え 白い少年は目を見開く


「・・・な! ・・・・何なんだ 本当に」





そのまましばし立ち尽くしていたが 思いたったように家路に着く

自分が居候しているところの家主
あるいは あいつなら解るのではないか と。





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