ストーリー

□梅雨の酒宴での追憶
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「今日も よく降りますねぇ」


雨宿りに来たら家の中が洗濯物だらけで 主夫がぼやいてた

「おや? 今日はお一人なんですか?」

「なんで セットで行動しなきゃなんねえんだよ」

「あはは そうですね
失礼しました」


そう言って 洗濯物をぱんと伸ばす
部屋干し臭さがぷんと来る やめろ




「あ 黒いの。 珍しい」

10割先程の質問と同じ意味

なんで こいつの弟子って事になってんだ俺

その阿呆な師匠の手には徳利と猪口。
昼間から飲んでるのか こいつ

つか 人んちだろ








 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「おら もうねぇのか コラァ」



「なんだかんだでよく飲むなコイツ

白髪のガキがなんか言ってるな畜生
悔しかったらてめーも飲め
因みに眼前で飲んでる阿呆師匠は素面だ 俺の倍は飲んでんのに どうなってんだこいつ




だけど いいもんだ

酔っ払うのは気分がいい
雨の煩わしさも 細かい事も気にならなくなる


自然と饒舌になる

「―― あ〜 そういやよ
俺 さっき なんでこいつの弟子なんだと改めて思ったんだけどよ」

阿呆師匠は全く気に止めない

「俺 あの馬鹿に引きずり込まれたんだよな〜」

あいつが 双子の片割れがこいつに興味を持ったから




元はと言えば


「あれは いつの事だっただろう――」



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