ストーリー

□邂逅
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大きな洞窟・・・人工的な物だろうか

引き寄せられるように 奥へ奥へと歩いて行く


突如 強い光に目がくらむ が少したつと慣れた

そこは部屋だった
部屋と言っても人が住めると言うだけの 岩肌だらけの空間
穴が開いてるワケでもない 何故明るいんだろう





『おお 来やがったか』


バッと声の方に振り返る

そこには岩に腰掛ける男

いつから そこにいたのか
全く気配が解らなかった



「よう そんな構えるな
危害加える気はねーよ」

「誰だ」

「だから 構えんなって
殺っちまうつもりなら ぼけっとしてる間に殺んだろ?」

「・・・・」

「まだ警戒するのかよ

お前をここに呼んだのは俺だ
用件聞く気はねぇか?」

「・・何の用だ」

「お 聞いてくれるのか

じゃあ 改めて




















『おじいちゃんだよ』」



くるり


「って コラてめっ! 無言でUターンか オイっ

「病院行け」

「脳みそ平常だ クソガキっ
つか 祖父ちゃんだって言ってんだろ!
信じられねぇのかよ!!」

「どう考えたら信じられる

「だから 祖父ちゃんが祖父ちゃんだって言ってんだろ!

「五月蝿いキ〇ガイ

爺がそんな若い訳な「てめぇだって 簡単に歳とらねぇだろ」

「山の中で数えられないから知らない」

「くっ 面倒苦ぇ

なら てめぇの親父とお袋の名前言ってやらあ!!!」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




「・・・・本物?」

「だから言ってんだろ」

「じゃあ 用件は?」」

「初対面の孫に自己紹介じゃ駄目なのかよ

まあ 別にあんだけどよ」


ニヤリと笑う爺。 嫌な予感がする



「お前 跡取れ」

「は?」

「俺も歳だしな
そろそろ次決めとかねぇと
と言う事で お前継げ。」

「継ぐって 何を?」

爺がまたもやニヤリと笑う














    『黄龍』








「黄龍って?」



爺がコケた

「お前なぁ ダチに詳しそうなの居んだろ

簡単に言えば 結構有名で強え龍だ
俺の血を引くお前なら跡取りとして最適なんだよ」

「面倒臭いから パス」

「しばくぞ 餓鬼

別になんかしなきゃいけねぇ事ねぇんだよ
名前だけだ 名前だけ!
ただ『黄龍』が居りゃいいんだよ!」

「なんで?」

「そういう物なんだよ
相応しい奴に継がせる決まりだ」

「・・・相応しい  って俺パスしようとしたけど?」

「向いてると俺が判断したからいいんだよ

実は 弟の方も考えてみたんだけどよ ちょっと無茶苦茶過ぎてるな あのガキ ・・捕まんねぇし

危なっかしいから やっぱ長男にしたんだよ

継ぐだろ?
お前が黄龍なら 大概の奴は納得するだろ」

爺は俺の事を知ってるんだろうか?
全幅の信頼。




「・・・そこまで言うんなら やる」

「よし 決まりだ。
じゃあ ちょっとじっとしてろ」


爺は俺の頭に手をかざす






『――当代黄龍の名において これを新しき 金色の龍とする
我が力我が名をこの者に与えよう――』









「・・・あれ?
なんともない?」

「そりゃ ただの宣言だからな」

「・・死ぬ程痛いとか 生きていられたら資格アリとか そんなんじゃ「なんで生か死のニ言論なんだよ
つか そんなの受ける気だったのかよ

「じゃあ これで終わりで 別に変わり無し?」

「ああ 黄龍に相応しい破壊力以外は」

「え?」

「気ぃ付けろよー 下手すりゃ大惨事起きるぞ」

「・・・

「ま そんな気にしなくても どうにかなるだろ」

「・・・俺 普段から 加減出来ない」

「・・・え"?」

「下手したら 正座で説教される」

「いや 問題そこじゃねぇだろ










 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


という事で 当代黄龍になったものの今のところ変わった事無し

考えても 加減が上手く行くワケじゃないから深く考えない事にした

「いえ 考えましょうよ

ん? スルメ持ってどちらに?」

「爺と酒飲んで来る」





あれやこれやと気を揉むのはガラじゃない


とりあえず 爺と酒盛りして馬鹿な話をしよう

今まで肉親と酒飲める事なんてなかったから









『邂逅』終。
 

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