すとーりー

□6月21日
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すぱーん!


勢いよく襖が開く



と 同時に


パン!パン!スパパーン!!



破裂音と共に何かが身体に纏わり付く















『HAPPY BIRTHDAY!!』




四人の声がハモる


きょとんとする クラッカーの色紙まみれの本日の主役。



「えっ? え?」

今だ自体が飲み込めないらしい

が、『そこ』の様子を見るや
あ、と 小さく呟くと口元に手を当てる



「・・・今日 僕、誕生日でしたっけ」







最近いろいろと忙しいこの人。

芝居小屋のオーナーだし 台本も書かないといけないし お偉方の集まりに参加したり その他にも沢山たくさん仕事を抱えている

忙し過ぎて 自分の誕生日など忘れてしまう程に。












「あんた父の日も仕事だったじゃない?
皆『お父さん』に『お疲れ様 いつもありがとう』って 言いたかったみたいよ?」

くす。と笑う『昔馴染み』に 余計な事言うなと突っ掛かる『息子』










「・・・・・・・。」






「あ、うるうるしてる」



「「「「え゙?」」」」


四人が驚き見れば 思わず赤面する『お父さん』

わたわたゴシゴシと目元を拭う




犬耳の青年がこれまたわたわたと言いつくろう

「ほ、ほら 疲れてるんだよ
甘ーいケーキなら疲れがとれっ・・・・・」


気を使い慌てる『息子』









「ありがとうございます」





目元をほんのり赤くして 沢山の息子達のお父さんは微笑む






少し遅れた父の日と誕生祝いの宴は
その日 夜遅くまで繰り広げられたとか













《6月21日》終、
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