すとーりー

□6月21日
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「ただいま帰りましたー」



やたら丁寧な『ただいま』と共に よいしょと玄関を上がる法衣の人物。


廊下をとたとたと歩き 居間に着くと



「おかえり。」


屋根からぶらんと逆さまにお出迎え


「ただいまです」

慣れてるので全く気にせずにこにこと挨拶。



出迎えが済むと 長いみつあみの青年は ぴょいと縁側に下りる。

そして 思い出したように『あ、』と言うと


「今日はそっちのまんまで居てってさー」

「はい?」


そっち・・・今は仕事関係の取引関係の為大人の姿。

何故?とか 何事?とか頭に浮かぶものの件の人物は既に居ない



「・・・・なんでしょうね」


はて?と首を捻る彼の頭上。
屋根裏では 先程三人の話を聞いていたお姉さんが楽しそうに微笑んでいた













「あいよっ! ケーキ一丁!」

居酒屋を思わせる威勢の良さで たん!と大きなケーキが机に置かれる


クリームだらけの泡立て機やボールをばしゃばしゃ洗う彼は 作務衣&頭に手ぬぐいというケーキ作りのイメージからほど遠い服装ながら 出来たケーキは異様な程出来がよかった

何を隠そう この漢器用である。
ついでに 彼が小さな頃から義父は仕事で出掛けねばならない事が多かった為家事は一通り出来たりする

ケーキの出来を見ると『一通り』レベルじゃないかも?ながら
スポンジ焼いたのは天井裏のお姉さんなのでデコレーションさえすればよし。
器用な彼には朝飯前




その横では


「・・・・焼き具合はこんなものか?」

おっかなびっくりで肉を焼く少年
彼は『男子厨房に入るべからず』とか普通に言ってるカチカチ頭なので不慣れも不慣れ
食材相手に一戦交えるかのような真剣な表情。


横でケーキの後片付けをしながら『あーいいんじゃねーの?』と アバウトなアドバイスが飛んでいます




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