すとーりー

□嘘と誠
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「う゛ー 肩こった・・・」


トントンと肩を叩きながら 長い長い廊下を歩く

会議といっても いつもどおり反逆者をどうするか といった内容なので彼女には発言しづらいものだった

尚、黒い従者は

『向かって来るようなら その時叩き潰せば充分かと・・・・』


反逆者達と知り合いである事は皆には秘密。
もちろん彼にも。




怒りに任せて一人先走り
あっさり負けた上に 許された

何か大雑把で自由な彼らに惹かれ
いつの間にかそれは違う意味を持っていた



「・・・・・不毛」


けれど 彼女は敵対勢力
解っている 叶わぬ願いだと 自分がやるべき事は一族を護る事だと




2階の廊下から眼下にふわりと桜の花びらが見えた


見下ろせば いつの間にか春満開
中庭一面に桜が咲き誇っていた


――― ああ、そうだ 私は此処を ――



ほんの少し 心が癒された











しばし桜に目を奪われて 静かな廊下に一人で居ると


「?」


何やら人の話す声


内容までは聞き取れないが

「謁見の間?」


それは長との謁見に使われる広場から聞こえてくる

長と会えるのは一族でもほんの一握りの者だけ

誰だろう? なんとなく そちらに向かった




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