すとーりー
□嘘と誠
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「――― 以上が 本日正午よりの議題です」
全身を黒一色でまとめた背の高い青年が紙に書かれた『すけじゅーる』を読みあげる
それを聞いた主は
「議題って・・・
どうせ いつも話し合いになんないのに」
語尾に小さく「面倒くさっ」っと付け足す
彼女は女だてらに一族の最高幹部の一人
そして ただ今『すけじゅーる』を読み上げた彼もまたその一人。
元幹部の父を幼くして亡くした彼女 その後見人となった父の忠臣。
彼女が次の幹部となれたのも彼の手腕によるもの
それ故に 新しい「主」に対し部下のように振る舞うが 彼女にしてみれば自分が偉いワケでもないので言いたい事の言える無二の親友と思っている
「仕方ないでしょう 面倒でしょうが出るだけ出られて さっさと終わらせればよろしい・・・かと?」
鉄仮面の異名を持つ彼は無表情で淡々と言う
数名しか居ない最高幹部の内 二人がこんな感じなのである
なんだかんだと言っても 水面下で行われている事を知らなければ一族は平和なのかもしれない
この時は まだ
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