すとーりー

□子狐こんこん山の中
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「なあ、
狐追っかけるんじゃなかったっけ?」


彼らが向かったのは町外れの民家。


全力疾走して来たので

「ぜえ ぜえ・・・・っ!」

白髪少年の息が上がっている


「おーい 大丈夫か?」

「キサマ本当に人間かっ!?」


わやわや騒ぐ二人を置いて 苔のついた廃屋の戸をガタガタ開ける金髪青年

とりあえず手伝うリーサルウェポン。


ガキョっと壊れたんじゃないかという音をたて 戸が外れる


腐った戸を持ち 壊しちゃったとじっと見る彼をおき
白い衣服が汚れるのも気にせず中に一歩入る




「ゲーン さーん― っ!
お久しぶりでーすっっ!!」


奥へ向かい呼びかける

こんな所に人が住んで居るのかと思っていたら



『ああああああ? 誰だあ』

「あ」が少々多めの返事

暗いそこから ぬっと出て来たのは


「なんでえ てめぇかあ」


見るからに一癖二癖ありそうな お年寄り


久しぶりと挨拶しながら 隣の人物に気付くと

「おおー これが式神ってやつか」

彼もまた勘違いしている模様

「・・・あ、 ツノ忘れてた。」


やり取りがイマイチゆるい気がするが きっと大物なのだろうという事にして





「緊急事態です
フランチェスカちゃんを貸してを頂けませんか?」



「「「フランチェスカ?」」」


ようやく入って来た二人を含む 三人の疑問符が飛ぶ






「ああ?
まーオメーなら貸してやってもいいけどよ
傷付けんなよ 可愛いかわいーうちの娘だかんな」




くるりと振り返り四人の横を通り過ぎる



と、 おもむろに隣の崩れかけた建物の戸を蹴り飛ばした


「Σんなっ!」



驚いた子供の声も気にせず 中へズカズカと進む



薄暗い中にぼんやり見えるは 布を掛けられた何やら大きな物。


先程ゲンさんと呼ばれた男はニヤリと笑う



「そこの若え奴ら 目えひん剥いてよく見ろよ」


得意気に布をぐっと握る





「とくと見やがれっ
孤高の天才発明家 源次郎様の最高傑作フランチェスカちゃんだああああっ!!」


ばさっ

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