すとーりー

□子狐こんこん山の中
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「・・・ち ちょっと待てよ!
なんでだよ 九尾の狐って殺生石ってのになったんじゃ!!」


彼が慌てるのも当然。
金毛白面九尾の狐は大陸を荒らし回り 海を渡りこの島国を荒らし回り 討たれ力尽き毒を放つ石へと姿を変えた

と、いうのが一般に伝わる話。




が 実際は

「表向きはそうですがね
討伐の後まだ息があり 逃げようとした為、安部の末裔の方が封じたそうです」

考えてみて下さい
生き物が石になるわけがないでしょう、 と言い放つ




腕を組み静かに聞いていた少年が口を開く

「ならば、早急に討伐 又は捕獲せねばなるまい」


眉間に皺を寄せた彼を見 金髪の青年はぽんぽんと頭を撫でる

「大丈夫ですよ『蜘蛛』をつけて置きましたから」


「「「蜘蛛?」」」


?マークの三人に 額に指を当てながら言う

「発信機といいますか 付けた相手の居る場所が見えるんですよ」

スウと目をつぶる

傍目には解らないが 彼には見えているのだろう



『―― かなり速い。 この景色は・・・裏山か
やや蛇行気味に進んでいるところを見れば 具体的な目的地はなし
とりあえず逃走のみが目的か

   !!』



刹那 パンッと破裂音が響き 火花が散る



「――― つうっ!」


痛みと衝撃に頭を降る


「親父っ!」
「大丈夫か!?」

心配無用とばかりに手で制す。
が 苦痛が表情から読み取れる



「気がつかれた・・・ みたいです。」


緊張が走る 彼ほどの術者を難無く負かすとは




「・・・困りましたね
追いようが・・」


そこまで言って ふと北側を向く 銀髪の・・通称リーサルウェポンに気づく


「・・・俺 解るかも。」


あ、 と全員が気付く

あれだけの妖気漂う妖なら 最強レベルの妖の血をひく彼に解らないはずがない




「もっと早く気付くべきでしたねえ」

そしたら痛い思いしなくて済んだのになあ。 とおちゃらけながら少し反省
かなり気が動転していたようだ



まとめ役がペースを取り戻した事で二人も心に余裕が出来た




それを感じ取ったか




「――― では 行きますか!」


.
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