すとーりー

□子狐こんこん山の中
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崩れた壁から外を見るが 既に姿は無い



「・・・まずいですよ あれは」



低い声に振り返れば 金髪の青年

先程のにこやかな少年のリミッターを外した姿



それからしても事態が尋常で無いと容易に解る






神妙な面持ちの二人に見守られながら 金色の青年は白い法衣の袖に手を入れる


そこから出されたのは


「「笛?」」


少々きょとんの二人に 表情を緩めず言う



「リーサルウェポンが必要かもしれませんから」




双方ああ、と納得するや スウと息を吸い一気に吹き上げる


が、

「・・・・音がせんな」






それは間違い。
彼らには聞こえていないだけ

一般的に人間が聞こえるものよりも ずっとずっと高い音が大音量で響き渡っている





ちなみに庭では


「ぎゃいいいいいんっ!!」

凄まじい音に 犬が耳を押さえていた










「犬笛か」


確かにリーサルウェポンな彼は人よりも動物寄り


実際聞こえるのか ちょっとばかり不安だったが





「あ、家壊れてる」



とってもナチュラルに登場。







手短に事情を説明し 早々に追いかけねばとなった時

「親父、一つ聞いていいか」

なんでしょう?と 聞かれたソレは残る二人も気になった事





「あれですか
おそらく君達も聞いた事があるでしょう

アレは 
―― 金毛白面九尾の狐です」



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