すとーりー

□丁半揃いました!
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「こんな堂々と賭博が行われているのか・・・」

白髪の少年がなかなか立派な家を見上げる

表通りというわけではないが いたって普通の家のようだ


「こそこそしてたら余計に目立つもんね
師匠 さっさと殴り込もうよ」

先程といい見かけによらず血気盛んな隻眼青年
ちなみに彼の『チクられたら面倒だから』でチンピラさんはスマキにされて置いてかれてます


しかし
「殴り込み?」

そう言われた師匠はきょとん顔


「へ?違うのか」

黒い青年もきょとん顔


「賭博で損した金は賭博で取り返そうと思ってた」

しれっと答える銀髪青年

白髪少年が恐る恐る聞く



「・・・お前 賭博の経験は?」

「無い。」

「おいぃっ!!」


「んー まあ俺運は悪くない事もないし どうにかなるんじゃないかな」

「師匠 それ『悪い』って意味だよ」


わやわや揉める一行



しかし言い合ってても仕方ないと数名が気付き出して
中に入ればなんとかなる作戦に決まり
白髪の坊ちゃんが反対しましたが却下されました



そして その家の扉に手を伸ばそうとした時

「ああ〜? 兄ちゃん達何だ〜?」

門番チンピラ登場
考えれば見張りが居ないわけも無い

が ある意味正直に

「此処で賭博やってんだろ? 俺らも混ぜてくれよ」

黒い兄ちゃん さすがです
フォローには慣れてます


「ん? ああ」

なんだ、客か と気を許したチンピラ
しかし ちらと白髪の子供を見る

「・・・なんだ」

少々緊張しながら聞く
―― ひょっとして怪しまれたか


「あのよ、 子供は入れないんだわ
ほら これより背の高いのしか入場出来ませーん」

ふざけた口調で『ここ』と赤で書かれているベニヤ板のキリンを出す

「だだだ誰が子供だぁぁぁぁっっ!!

無理もありません。

そして後ろで


「あ 俺セーフ」

「じゃ 俺達余裕だね」

「この際三人ではいるか」


キリンの赤印は160cmの所
坊ちゃん以外は問題無しなんです


「貴様らああああ



怒る白髪少年
お年頃の男の子に身長ネタはやめましょうね



「じゃあ これ」

不意に師匠が袖から出したは下駄。 舞妓さんが履いてるぽっくりっぽいやたら底の高い物。


「そういや修理に出したの取ってこいって 頼まれたんだったっけか」

「これでも式服引きずるんだよねアイツ。
切ったらおっきくなった時つんつるてんだとか言ってごっついの履いてんだっけ ていうか底何センチ?」



「何処にも上げ底は反則って書いてない!」 びしっ

「いや 普通やんねーよ」

チンピラさん正論。


けどまあ そんなに入りたいのかと
―― 若いうちから カモになってくれるとは嬉しいねえ


「あー もういいぜ 兄ちゃんら 下駄もオッケーだ
四人様ご案内ー。」

にこやかに扉を開け 四人を迎え入れる




木の戸がバタンと閉まり 薄暗い家に入った




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