小説
□夜の病院
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「……何1人でしゃべってんだよ」
みんな寝てるはずなのに声がした。
もう一度上半身を起こすと、
「半田!!」
「シッ!静かにしろよ。みんな寝てるんだぞ」
「あ、ごめん…」
そう言って両手で口を押さえた。
「寝れないのか?」
半田が小さな声で僕に問いかける。
「半田も寝れないの?」
そう返すと、
「マックスが1人でしゃべってるから起きちゃったんだろ」
って言われてとても申し訳ない気持ちになった。
「ごめん…」
「別にいいけど。いつまでもしゃべってたら迷惑だから早く寝ろよ」
半田はそう言うと布団に入った。
「もう寝ちゃうの?」
「だって朝早いだろ、寝ないと起きれない」
「…そーだよねー。ごめん半田!おやすみ!」
暗くてよく見えないと思うけど僕は満面の笑顔を半田に向けた。
こうみえて僕、器用なんだ。
「おやすみー」
ほんとはさみしかった。
半田が起きてたから暇しないで済む───
なんて軽い考え方してたけど、半田はもう寝ちゃうし。
僕まだ眠くないよ。
そんなすぐ寝ちゃうなら話しかけないでほしかったよ。
急に1人になったみたいで、ほんとさみしい。
だって僕、半田のこと─────…