小説
□夜の病院
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病院は就寝時間が早い。
9時に寝ろなんて無理に決まってるじゃん!
真っ暗な病室。
時計はもう10時半を指していた。
「ベッドに入って1時間半……」
そう呟いてため息をついたのは僕、松野空助。
試合でケガをする前は毎日頑張って練習して、テレビを見て、ゲームして。
寝るの12時過ぎ当たり前の生活を送っていた僕には9時なんて早すぎた。
寝る時間が早い分、起きる時間も早い。
朝起きるのがつらいから早く寝なきゃっていつも思ってるのにいつも寝れない。
「円堂たち、元気にしてるかなぁ…」
そんなことを考えながら目を瞑る。
あー…
寝れない……
上半身を起こして辺りを見渡す。
みんな寝てる…
はぁ…
またため息をついて、ふと半田の方を見た。
半田もやっぱり寝てるようで…
「つまんないの。僕だけじゃん、寝れないの」