短編

□Yellow star flower
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「マスター!今日も遊びに来たよ!」

「・・・・・・・・」



名無しさんです!今日も終点にいる愛しの彼にアタックしようと思います!



「また君か!いっつもいっつもシンプル挑戦して!ここ数日君としか戦った覚えがないよ!」
「あなたに会うためなら私はなんでもするのです!」
「休む暇さえないよ!!」


マスターは呆れたように言う。ちょっと寂しいな、今日はまだ15回しか挑戦してないのに。


「まぁ、そんな怒らないでよ!今回はお菓子持ってきたから!手作り!」
「乱闘は!?そもそも私は食べなくていい・・・っていうか、自分で言うのもなんだけど、この姿でどうやって食べろと・・・?」

「じゃあ、匂いだけでも!」
「余計食べたくなっちゃうよ!」



お菓子はいらないと言われたけど、食べたくなるって言ってくれただけで嬉しい、大きな進展だと思う!



「(酷いポジティブ・・・)」
「なんか言った?」
「なにも!」
「ポジティブなのが私の長所!」「聞こえてたんじゃん…」

しょうがないので一人でお菓子をかじりながら床に座り込む。少し焦げてるなぁ・・・砂糖多すぎたかな?

「ねぇ、ちょっと・・・乱闘は?」
「一人でやってれば?」
「え、君何しに来たの!?」
「最初に言った通り貴方に会う為です!」


私はお菓子を食べ続ける。

するとマスターは呆れた様子で口を開いた(口無いけど)


「はぁ・・・あのさぁ、私のどこがそんなに良いの?」
「?良い、とは?」
「自分で言うのもなんだけど、こんな姿だし、もし、もしだよ?君と私が恋人になったとしても、抱きしめる事も、キスすることも出来ないんだよ?」

「・・・そこは、不思議な力で擬人化!とか。夢小説の如く!」
「夢小説!?よ、読んでるの?」「意外と多いんだよ、マスターの夢小説。」
「え、そうなの。意外と私の事好いてくれてる人が多いんだねぇ。・・・じゃなくて!擬人化なんて出来ないし、出来たらやってるよ!」

マスターの長たらしい説明によると、擬人化は魔力的なものが足りないから出来ないとか、もし出来ても維持出来ないらしい。
ちょっと残念。まぁ、私はどんなマスターでも好きだから無問題!

だって、この手の姿をを好きになったんだから、姿がどうとか関係ないよね!

『手』を好きになった私は、十分自分が変人だと自覚してる。

それに、抱きしめられる事も、他にも色々恋人らしい事は出来ない事も覚悟出来てる。

そこまで自分でわかってるんだから、迷う必要無い。答えは一つだけ。


「私は別に、見た目がどうとか関係ないと思うし、抱きしめたりキスしたり手をつないだり出来ないのもわかってる。それを別に構わないとも思ってるよ?」

「・・・・・・でも・・・」

「それに!マスターが出来ないってんなら、私がやればいいのよ!抱きしめるのも!キスするのも!」


「ぅ・・・なんか面と向かって言われると恥ずかしいな。」

「だから、マスターに出来ない事ぜーんぶ私がやるから、付き合って下さい!」

「えぇーそこでまさかの告白?聞かなかった事にして良い?」
「駄目!」
「ですよねー」


キャーどさくさにまぎれて告白しちゃったわぁー

どんな返事が返ってくるんでしょう。名無しさんさんドキドキしちゃう!



「じゃあ・・・良いよ?付き合っても・・・」







・・・・・・・・・はい?今なんて言いました?付き合っても良い?嘘ぉ







「う、嘘じゃないよ。酷いなあ」

「え、だっていつも迷惑そうに・・・」

「い、いっつも来るし、お菓子とか作ってくれるし・・・食べれないけど。」

「そっか・・・」「うん・・・」



「・・・」「・・・」

「・・・あの、名無しさん?」

「うん?」

「なんか言う事無いの?晴れて恋人になれたんだし・・・」

「あぁ、そうだね、急すぎて頭がパニックだよ。じゃあ、エキサイトするかぁ。」


すぅ、と息を吸い込んで私は叫んだ!思いっきり!


「いやっほぉおおおおおおぁあああおい!!念願が叶ったぜええええええぇえ!!」

「うん、反応に困る反応をどうもありがとう。」

「マスターも一緒に騒ごう!」

「うん、私そんなに浮かれてないからね?」


ドライだなぁ。でもまたそこが良い。


「あ、そうだ!抱きしめてあげるよー私の胸に飛び込んでこーい!」

「えぇー飛び込む前に君が飛び込んできてるじゃん!」


私は床に座ってる(?)マスターに飛びついて、ぎゅっと指部分を抱きしめた。

「うーん、意外ともふもふしてる。」

「いや、まぁ、手袋だしね?」

「ねぇ、マスター」「なぁに?」


なんだかうとうとしてきた。モフモフしてあったかい。


「ずっと一緒にいてねー・・・」

「うん?寝ちゃった?まぁいいか・・・ずっと、ずっと大切にするから。」



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