短編
□Yellow star flower
1ページ/4ページ
「マスター!今日も遊びに来たよ!」
「・・・・・・・・」
名無しさんです!今日も終点にいる愛しの彼にアタックしようと思います!
「また君か!いっつもいっつもシンプル挑戦して!ここ数日君としか戦った覚えがないよ!」
「あなたに会うためなら私はなんでもするのです!」
「休む暇さえないよ!!」
マスターは呆れたように言う。ちょっと寂しいな、今日はまだ15回しか挑戦してないのに。
「まぁ、そんな怒らないでよ!今回はお菓子持ってきたから!手作り!」
「乱闘は!?そもそも私は食べなくていい・・・っていうか、自分で言うのもなんだけど、この姿でどうやって食べろと・・・?」
「じゃあ、匂いだけでも!」
「余計食べたくなっちゃうよ!」
お菓子はいらないと言われたけど、食べたくなるって言ってくれただけで嬉しい、大きな進展だと思う!
「(酷いポジティブ・・・)」
「なんか言った?」
「なにも!」
「ポジティブなのが私の長所!」「聞こえてたんじゃん…」
しょうがないので一人でお菓子をかじりながら床に座り込む。少し焦げてるなぁ・・・砂糖多すぎたかな?
「ねぇ、ちょっと・・・乱闘は?」
「一人でやってれば?」
「え、君何しに来たの!?」
「最初に言った通り貴方に会う為です!」
私はお菓子を食べ続ける。
するとマスターは呆れた様子で口を開いた(口無いけど)
「はぁ・・・あのさぁ、私のどこがそんなに良いの?」
「?良い、とは?」
「自分で言うのもなんだけど、こんな姿だし、もし、もしだよ?君と私が恋人になったとしても、抱きしめる事も、キスすることも出来ないんだよ?」
「・・・そこは、不思議な力で擬人化!とか。夢小説の如く!」
「夢小説!?よ、読んでるの?」「意外と多いんだよ、マスターの夢小説。」
「え、そうなの。意外と私の事好いてくれてる人が多いんだねぇ。・・・じゃなくて!擬人化なんて出来ないし、出来たらやってるよ!」
マスターの長たらしい説明によると、擬人化は魔力的なものが足りないから出来ないとか、もし出来ても維持出来ないらしい。
ちょっと残念。まぁ、私はどんなマスターでも好きだから無問題!
だって、この手の姿をを好きになったんだから、姿がどうとか関係ないよね!
『手』を好きになった私は、十分自分が変人だと自覚してる。
それに、抱きしめられる事も、他にも色々恋人らしい事は出来ない事も覚悟出来てる。
そこまで自分でわかってるんだから、迷う必要無い。答えは一つだけ。
「私は別に、見た目がどうとか関係ないと思うし、抱きしめたりキスしたり手をつないだり出来ないのもわかってる。それを別に構わないとも思ってるよ?」
「・・・・・・でも・・・」
「それに!マスターが出来ないってんなら、私がやればいいのよ!抱きしめるのも!キスするのも!」
「ぅ・・・なんか面と向かって言われると恥ずかしいな。」
「だから、マスターに出来ない事ぜーんぶ私がやるから、付き合って下さい!」
「えぇーそこでまさかの告白?聞かなかった事にして良い?」
「駄目!」
「ですよねー」
キャーどさくさにまぎれて告白しちゃったわぁー
どんな返事が返ってくるんでしょう。名無しさんさんドキドキしちゃう!
「じゃあ・・・良いよ?付き合っても・・・」
・・・・・・・・・はい?今なんて言いました?付き合っても良い?嘘ぉ
「う、嘘じゃないよ。酷いなあ」
「え、だっていつも迷惑そうに・・・」
「い、いっつも来るし、お菓子とか作ってくれるし・・・食べれないけど。」
「そっか・・・」「うん・・・」
「・・・」「・・・」
「・・・あの、名無しさん?」
「うん?」
「なんか言う事無いの?晴れて恋人になれたんだし・・・」
「あぁ、そうだね、急すぎて頭がパニックだよ。じゃあ、エキサイトするかぁ。」
すぅ、と息を吸い込んで私は叫んだ!思いっきり!
「いやっほぉおおおおおおぁあああおい!!念願が叶ったぜええええええぇえ!!」
「うん、反応に困る反応をどうもありがとう。」
「マスターも一緒に騒ごう!」
「うん、私そんなに浮かれてないからね?」
ドライだなぁ。でもまたそこが良い。
「あ、そうだ!抱きしめてあげるよー私の胸に飛び込んでこーい!」
「えぇー飛び込む前に君が飛び込んできてるじゃん!」
私は床に座ってる(?)マスターに飛びついて、ぎゅっと指部分を抱きしめた。
「うーん、意外ともふもふしてる。」
「いや、まぁ、手袋だしね?」
「ねぇ、マスター」「なぁに?」
なんだかうとうとしてきた。モフモフしてあったかい。
「ずっと一緒にいてねー・・・」
「うん?寝ちゃった?まぁいいか・・・ずっと、ずっと大切にするから。」
マスター視点→