短編

□不思議な感触の彼らと
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「とうっ!」

「わっ!・・・な、なんだ、名無しさんか・・・驚いた!」

「相変わらず唐突だな、名無しさんは」

勢いよく抱き付くと、彼(?)は驚きの声を発する。

彼らはこの世界の創造者と破壊者。
というと過激に聞こえるが、要はこの世界の管理者だ。

二人(?)共に見た目は大きな白い手袋そのもの。
どこから声が出ているのか・・・とか、そもそも視界はあるのか・・・とか、そんな事を気にしてはいけない。

彼らは手袋なだけあってもふもふ(・・・といってもニュアンスが難しく、ふわふわしているわけではなく、少しもふもふ、むにむにしている)していて気持ちよく、よく上に乗ってもふもふさせて貰ったりそのままお昼寝したりさせて貰っている。

そんな行動にも彼らは嫌な顔一つしないので、さすがは神というべきか、器が大きい。

(まあ顔無いけどね)


「相変わらずのもふもふ感・・・」

いつもの通り、その大きな手の上によじ登り、手の甲にあたる場所に乗ってそこから指を頬ずりする。

「そんなに楽しい?」

マスターが優しい声色で問いかける

「すっごく!」

「それならよかった」

低めの声だがまさにふんわりした雰囲気の声色

「物好きな奴だなー」

マスターより高めだけどつんけんした口調。
でも嫌な感じは全然しない。

大きな指で私の頭をぽんぽん、としてくれる。

「二人と居る時が私の至福の時だよ〜・・・」

「それは私達も同じだよ。ね?クレイジー」

「・・・・・・」

クレイジーは無言・・・のかわりに指で私の頭を撫でた

いつも穏やかで優しいマスター
不器用だけど優しいクレイジー

「力加減が怖いんだよな・・・壊しそうで。」

ぽつり、とひとり言
そのひとり言に私は頬を緩める

「優しいね」

「・・・・・・そうか?」

「ふふふ、ただ照れてるだけだよ、それ。力加減て、どんな言い訳なの」

楽しそうに笑うマスター。
動揺したようにせわしなく指を動かし、無言になるクレイジーに触れ、むに、と軽く摘まんでみる。


「・・・どうしたの?」

「う・・・・・・」

「いっつもツンツンしてるけど、ただの照れ隠しだもんね?」

ぎこちないやり取りをする私たちに一人(?)楽しそうに笑い、クレイジーをからかうマスター
そんなクレイジーがマスターの指を軽くつねるまでがいつものお約束。

そんな、何気ない毎日
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