短編
□愛されすぎた、
1ページ/3ページ
今日もあいつは暢気にへらへらと笑いながらやってくる。
俺がお前にどういう感情を抱いているかも知らないで。
「それで、ピット君がー」
「そうか。」
ここは亜空間の中。
真っ暗で何もない空間の中に、鈍く光る床がある。
そこから足を外に放り投げて腰掛けている、ふたつの人影。
少女の名は名無しさん。
亜空間と外の世界を行き来する力を持っている。生まれた時から持っている力らしい。
彼女は産まれてから今まで、この力を使った事は無かった。
しかし、一年程前、気まぐれでその力を使い、亜空間に侵入した。
そこで・・・タブーと出会い、友人になったのだった。
一見、仲良く談笑しているように見えるが、タブーの方は少々不機嫌そうだ。