「Line」

□眠気覚ましに
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それにも驚くが、この家というか店の敷地内にビーチも含まれてるんだからもっと驚きだ

「そろそろ開店の準備があるので先に下(店)にいますね。
朝ごはんの準備、しておきます!」
にっこりといつものように笑い、部屋を出ていく



再び梯みたいな階段に気を付けながら自室に戻ると、クロゼットからいつもの服装に着替え始める
(ちなみに、Yシャツは既にアイロン掛けは済んでいます)

着替え終わって、白いニーハイとワンストラップシューズを履けば、服装は整った
軽く髪の毛を纏め、(ちなみに今回は二つ結びで)腰エプロンを身に付ければ……

「完璧!」


と慌ただしく調理場に立つ。業務用(とはいっても小さめ)の冷蔵庫から材料を取り出す

この建物で二番目の広さを誇るこの調理場だが、利央の性格からか隅々まで綺麗に掃除されシンクは新品のように光る



オーブンや冷凍庫もきちんと完備され、いずれも新品のような綺麗さ(あまり使っていないと言うのもあるが)

「でーきた!」
と、調理場を見遣っている間に朝食が完成していた


ちなみにメニューは目玉焼きと焼きベーコン、クロワッサン


シンプル・イズ・ベストってね!!(管理人が書くの面倒だったからです。サーセン!)

それらをカウンタに運んだとき、丁度山本が下りてきた

いつもの青ががったYシャツと漆黒のスーツとネクタイに身を包み。

「お、準備早ぇーな。」
ビックリしたように言いながらカウンタの椅子に座った

「紛いなりにも料理人ですから……」
お客様は待たせませんよ、と思いつつコーヒーの入ったカップを置いた

中はエスプレッソ、料理をしてる最中に淹れたやつだ


因にイタリアでは主流の銘柄でもある


余談をすれば、イタリアでは喫茶店といえば「バール」といって軽食を主とする軽食喫茶店を指すらしい。
しかもカウンタで立ち飲みスタイルの為、「Line」はかなり日本の特徴(?)を取り入れた喫茶店と言える
利央は知っててこの店内にしたらしく、ほぼ日本からの輸入品だとか

さて、長話をしている間に山本も食べ終わったようだ

「そういえば、いつくらいにお帰りで?」
利央はそんな疑問を浮かべる

「ま、内容によるけど二日くらいか?早くて今日中に帰れっかな」

「ずいぶんお早い出張ですねー」

「俺としてはイタリアの方が落ち着くからいいけどなー」
コーヒーを飲み干し、カップをカウンタに置いた

「私は、やっぱり日本の方がいいですね。実際にはイタリアに居た方が短いですし――」

「そういえば、クォーターとかいってなかったか?」

「母の連れ子が私で、母は日本人でイタリアにいたんですがその時に私を生んだわけです」

「………実の両親はイタリア行くの反対しなかったのかよ」

「母は死んでますし――――第一、父は今どこにいるやら」
少しばかり肩をすくめて言うと、ビックリしたように目を見開く

「……雲雀父はなにも?」

「離婚したのが九歳の時ですから。兄さんとはある程度連絡取ってましたけど、養父とはまったく。

――――――――――あの人は母の葬儀にも来ませんでしたし」
一度、目を伏せたかと思うと直ぐにまた笑顔が帰る

「さてと、そろそろ6時半ですよっ!フライト時間は?空港までかなり距離ありますよ」
カウンタの中で座っていた腰を上げると、朝食に使った皿を回収した

調理場に大きな洗い場があるが、カウンタにも小さな洗い場があるためソコの水に浸ける

「八時半だな、多分……
一度、屋敷に帰ってみるわ。」
山本は立ち上がり、バットケースを肩に掛けた

「そうですか、では………気を付けて!」
精一杯の笑顔で言った
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