「Line」

□ウエディングなら
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そういって、利央の体をみた

利央はシンプルな白いワンピースを着ていて少しヒールの高いサンダルを履いていた
更にはボレロと小さなバックを身に付けている

「ハルさんに戴いたヤツですよ?
絶対にハルさんが着た方が似合いますよ」
少し顔を赤色に染める



コンコン

ノック音がしてハルが返事をすると、白タキシードを着たツナと山本がそこにいた

「つ、つつつツナさん!」
すっかり驚いたようにハルが立ち上がる

「ハルさん、落ち着いて!!」
此方は焦ったようにパイプ椅子に座らせた

ツナと山本が部屋内に入る
ツナはハルのウエディングドレス姿に顔を赤くしていた

「なんか…いつものハルじゃないみたい、だな

似合ってるよ」

「あ、ありがとうございます

ツナさんもいつもに増して、カッコいいです…」
お互いを見て、照れながらいっている

「じゃ…、行こっか」
す、とツナが手を伸ばす
そっとその手を握り、ハルが立ち上がりベールを被る

「俺たちは先に行ってるぜ」
山本は、そういい利央の手を引きながら廊下に出た





中庭にあるというチャペルをみて、やはり絶句した利央
整備もされている上に、本当に教会のようだ

前から三番目の長椅子に腰掛けていて、今はハルがヴァージンロードを歩いている



時間感覚がないものの、とても早く感じた式だ
既に終わりが近く、皆がぞろぞろと外へ出ていく

ブーケトスだ

ハルは後ろを向き、勢いよくブーケを投げた

綺麗に弧を描き、ぽすっとソレは利央の手中に収まった

ブーケを狙っていた女性達は静まる

「良かったじゃねえか!」
後ろからポンと山本が頭を撫でた

振り返り、はにかむような笑顔
「はいっ!」
残念がった女性たちも、微笑ましいその状況に明るくなる
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