「Line」
□女の子には
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「ほ、ほら!女の夢でしょう?
ウエディングドレスとか着たりするのって!」
あたふたとしながら言うと、ガシッと手を掴まれる
「ハル、それ凄く分かります!!」
「そうですよね!」
女の友情が生まれた瞬間だ
「ハルは三浦ハルって言います!」
「私はリリア・ル・ティールです」
よろしく、と挨拶を交わす
「で、こちらは私の旦那様の沢田綱吉さん、通称ツナさんです」
横にいる男性を手のひらで指した
「よろしくね、『利央』さん」
「!!??、ななな、なんでそっちの名前知ってるんですかッ!?」
ずささっと後ずさりをする
「読心術、って知ってる?」
ニヤ、と口角を引き上げる
「…うぅ。なんか酷いですよ〜
毎日頑張ってきたのに…日本に帰りたくなってきました」
「はひ?リリアさんは利央さん?
あれ、日本人?イタリア人?」
ハルは混乱したようで、グルグルと目を回す
「ま、説明すりゃ簡単だろ?話しちまえよ」
「う〜…」
はぁ、と一つため息を入れた
「つまりですねリリア・ルティール≠フ名前はイタリア名なんです
日本名は篠月利央っていいます
人種……って言えばおかしいですけど、私は日系人かな?
イタリア人と日本人のクオーターなんですよ」
「そういうわけだ」
「武は知ってたんだ?」
「まあな、常連だし?」
何気なく黒い笑顔だったりする
「で、どうするよ。二人の結婚式」
クルッと向きを90度変えて利央を見た
「い、行きたいです…
…でも店ほっとくわけにもいけません。従業員私しか居ませんから‥ねぇ」
むぅ、と唸らせお盆で口元を隠した
「休みにしたらどーですか?」
「それでもいいんですけど…はっきり言って生活が掛かってるんですよ
かなり生活キツくって…」
はぁあ‥と大きなため息をついた
「そういえば、客来ねーのにどうやって生活してんだ?」
グッサリと槍が刺さる
「ち、貯金と…街にでてお菓子を売ったりしてます……」
「何気に凄い生活してんのな」
苦笑い気味に山本が言う
「まぁ、覚悟はしてましたよ?一応
其のために学生時代も頑張ってきましたし」
再び大きく溜め息をついた
「どんな学生時代を送ってきたんだか」
興味ありげにツナがほざく
「波乱の人生…って所でしょうか?」
まぁ、いつか話しますよ。と含み笑いをしながら付け加えた