「Line」

□眠気覚ましに
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チュンチュン………



―――――いつもの朝だ…
雀の、鳴き声で目が覚める。窓から差す朝日で朝だと知る

ベッドから這い出るように、枕元で泣きわめく時計を止め時間を知る

――――5時半、
いつも5時起きの利央にとっては少し寝坊。
とはいっても、昨日帰ってきたのは朝の2時過ぎだったし

……………………と…あ、忘れてた


と、Tシャツとスウェットの状態だということを忘れるように部屋と調理場とを挟む廊下の扉を開けた
途中、スリッパを足に引っ掛けて、Tシャツの上にカーディガンを着つつそこを出た

ちなみに、この建物は一応二階建てで二階にも部屋があったりするのである。

部屋から出て直ぐにある横の扉を開けると、その二階に続く階段が見える
怖いのは、脚と階段で構成された梯みたいな奴だから落ちそうでならない上に、使ってないから埃っぽい

手で埃をあまり吸わないように保護しつつゆっくりと階段をのぼる



その先には―――――――


幾つかの部屋の扉、いずれも木製でノブだけ鉄製の押し扉

一番近い扉を軽くノックしてから、
「入りますよ」
と声を掛けて部屋の扉を開けた

古いわりにすんなりと開く扉の先には端に一つのベッド
家具はベッドのみで、灯りすら無かった

そこの布団にくるまったソレを揺すり起こす

「起きて下さい、山本さん=v
そうはっきりと言った…!

「山本さん、…今日からまた緊急出張でしょう?フライトの時間に間に合いませんよ?」
※只今5時43分です

「う………ん………………りぉ?」

「そうです利央です。だから…その、起きて頂きたい。(寝起き可愛いですよぉ!)」
なんかそんな感動を覚えた利央でした。

少しして、くぁぁあ…とアクビをしつつ山本が起きた

「フライトの時間大丈夫ですか?今度はどこでしたっけ」

「ドイツ」

「わぁ、いいですね!」
そんな会話をしながら、部屋の窓を開けた

「なんでまたこんな仕事回すんだか………ツナの奴。」
そう悪態をつきつつ、山本は立ち上がる

「あら、いいじゃないですか。イタリアにこもってたら、ドイツなんてそうそう行けませんし」
クスクスと笑いながら、窓の外を見遣る
海側な為、潮の香りが流れ込んでくる
ぶっちゃけ、窓の外だし。
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