「Line」

□披露宴飛び越えてパーティーなら!
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完全に唇が離されたのは、たっぷり2・3分経ってからだった

ガクンッと膝が笑ってしまったように震え、立てなくなってしまったのが原因だったりする



長時間背伸び辛い!しかも慣れないハイヒール!!



という感じですよ

「大丈夫か?」
利央を支えたのは、勿論山本
立てなくなった利央の腰を抱き(しかも片手で)、落ちないようにしてくれている

「は、はい。すみません」
山本の補助でなんとかその場に立つことが出来た

「わり、やり過ぎたわ」
汗で張り付いた利央の髪の毛をゆっくり取る

―――――心臓壊れそう。
そりゃもうドクドクと異常な程に波打っちゃってます
はかったらかなりの心拍数だろうな

「あ、いえ…っ。」
とくに言葉もなく、ただ自分の顔が紅く紅潮するのが分かる

その熱を下げようと自分の手で頬を覆った
ドレスグローブをしていない素手な為か、ひんやりと自分の手は冷たかった

「―――…し、武!」
遠くで山本を呼んだのは、声からして獄寺だった

「獄寺か?」
何だ、と走ってくる獄寺に声を掛けると山本の耳元で獄寺が用件を伝えた

利央には聞こえてこない

「あぁ、直ぐ行く。待たせといて」
獄寺の話を会釈し、そう答えると獄寺がバットケースを手渡す

「わりぃな、仕事入っちまった…」
分が悪そうに、後頭部を掻く

「いえ、大丈夫ですっ。お仕事、頑張って下さいね」
そういって、急いで笑顔を作る

ちゅっ

リップ音を鳴らして利央の頬にキスを落とす

いってくるな、と言葉を添えて身を翻した
すぐに人波に紛れ、その背中は見えなくなっていく



一度消えたはずの熱が再び帰ってきた
キスされた頬と囁かれた耳に熱がこもる

「―――っ」
なんか、恥ずかしさとか嬉しさとか後ろめたさとか驚きで声にならない声が出る

かあぁっと思い出しただけで赤くなるのが分かる
毛細血管が大爆発☆☆
(☆☆じゃないわっっ)

熱を下げようと向かったのは―――――
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