「Line」

□女の子には
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カランカラン‥
いつものドアについた鈴が鳴った

「いらっしゃいませ、喫茶店『Line』へ」
また、いつも通り頭を小さく下げた

「おっす。」
一番に入ってくるのはやはりこの人



そして今回は、その後ろから男女のペアがいらっしゃいました!



「此方へどうぞ」
テーブル席に案内しつつ、メニューを取る

「ご注文は何になさいますか?」
一人ひとつのメニュー表をみて暫く唸る

「俺、アッサム。」
山本はメニューを見ることなくそう言う

サラサラとメモに書きこんだ

「今日のお勧めはアッサムティーとショートケーキですよ?」
あまりにも悩む女性にそう言うと、ならそれで!と元気に言う
明るくて、すごくボブにした髪が似合う

「俺はエスプレッソで」
柔らかい笑顔で、そう注文した彼は正に太陽とか大空のような面持ちだ(なんか心が広そう)

「少々お待ちください」
そう声を出しつつ、頭を下げてから腰エプロンにあるポケットにメモとペンを入れた






それぞれの作業を進め、十数分掛かってようやく準備しおえた

ケーキも、既に作ってあるのを切り分けて皿に飾る



アルミ製の銀盆を持ちながらテーブル席に向かう

「お待たせ致しました」
コトッと紅茶やらコーヒーやらケーキやらをテーブルに乗せた

「わぁっ、美味しそうです!!」
早速、とフォークをケーキの先っぽに入れる

パクっと一口、
「はひっ凄く美味しいです!!」

「それは何よりです!」
ほっとしながら微笑むと、またあることに気がついた

「お二人は結婚なされているのですね」
そうなのだ、左手の‥それも薬指に同じデザインの指輪がはめられていた

……まぁ、中指とかに他のリングをはめていたりするけど

「は、はい!///」
少し恥ずかしそうに顔をうつ向かせた

「明後日、式をあげるんだ。披露宴も兼ねてね」
コーヒーを飲みながら此方は恥ずかしげもなく言う

「それはおめでとうございます!!」
パチン、と胸の前で手をあわせた

「一緒に行くか?結婚式。」
に、と山本が笑う

「な、なんですか急に」

「そういうの好きだろ?」

「ま、まぁ‥そうですけど…」
語尾を少々濁らせながら言った
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