短編

□二人で
2ページ/3ページ



「女王様ー!」

「あら、わたくしたちのアリス。

こんにちは」


とてとてとこっちに向かって走って来るアリス、今日もなんて可愛いらしいこと!

お日様みたいな笑顔で、私に話かけてくる。



「昨日帽子屋たちとのお茶会をしたの!

相変わらずネムリネズミさんはよく寝むってたよ。
帽子屋は私のカップに紅茶を入れてくれて、それでね…」


ウキウキと楽しそうに昨日の出来事を話すアリス。
その表情は本当に嬉しそうで、ああ、そんなアリスは愛おしいわ!

なんて思いながら聞いていたけど帽子屋たちとのお茶会、という言葉に少しカチンときた。

だって昨日帽子屋たちには会ったって事でしょう?



寂しいわ、私の所へは来てくれなかったのに!

悲しんでいる私にアリスは気づかずに続ける。



「でね、クッキーがとっても美味しかったからもらって来たの。


女王様におすそ分けだよ!」



そう言って手に握っていた袋からチョコチップが乗ったクッキーを2枚取り出すと
そのうち1枚を女王に差し出した。
「女王様と、

一緒に食べたかったんだ!」



わたしも食べるのー、と笑顔なアリス。




それって私と2人でって事よね?


………嬉しいわ!

私たちのアリスは私のためにクッキーをくれたのよ!



「ありがとうわたくしたちのアリス!

とっても嬉しいわ!」



お礼を言いながら抱きしめると、少しぐらついた後抱きしめ返してくれるアリス。

その笑顔が本当に愛おしい!







今日は私があなたをひとりじめ
(ああもう、なんて可愛い私のアリス!)



END

あとがき→
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ