PTSDとは“Post-traumatic Stress Disorder“の略称で日本語訳で外傷後ストレス障害と言われています。心的外傷を受けた場合になる病気です。
心的外傷とは例えば戦争や災害、犯罪、家庭内暴力、虐待、強姦などその人または身近な人が生死に関わる状況に直面する、あるいは強い恐怖感を伴う体験がある場合に受ける心の傷“トラウマ”です。トラウマを持つと社会生活にも大きな影響及ぼします。症状としてはフラッシュバック(再体験)、出来事を思い出させるような状況や人物を避ける回避行動、感情の麻痺、不眠などがあげられます。またPTSDは合併症を起こしやすいという特徴があります。起こりやすい障害として、うつ病、パニック障害、解離性障害、行動障害、適応障害など数多くあります。治療法としては認知行動療法(暴露法)、薬物療法、EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)です。
PTSDの方と接する時、普段は何でもないような状態の時もあれば、ひどく取り乱すといった状態になる時があると思います。取り乱す原因は大概フラッシュバックにあるのでPTSDの原因となる事柄を避けるのが最善です。ひどい方は音や色などといったものにも過敏に反応してしまいます。治療をしていくと少しずつ落ち着いていくと思いますが、先で書いた通りトラウマは生死に関わる、あるいは強い恐怖体験によるもので簡単には良くなるものではありません。特に合併症を起こしていたりすると医師の診断自体が違ってしまうこともあるようです。そうなると適切な治療が受けられなくなりますが…。
私の場合、特定の場所、特定の内容がフラッシュバックの原因です。その特定のものに関わるとフラッシュバックしてその場から逃げずにはいられなくなり、動悸や吐き気、頭痛といった症状が一度に押し寄せてきます。こうなると薬が頼りです。病院の中でも話が少し触れただけでフラッシュバックしてしまい、安定剤を注射されて落ち着くまで眠る、なんて事があります。
生きていればつらいこと、悲しいこと、たくさんあります。傷つく事もあります。でも普通は時間の経過とともに癒えていくものです。PTSDの心の傷はただ待っていても回復するものではないと思います。その過去にとらわれ、未来を建設的に考えたりするのも困難になります。
精神病全体にも言えることですが、周囲の理解はとても大きく支えになります(PTSDでは原因になる事柄には決して触れずに普段通りに接してあげましょう。十分支えになると思います)。見捨てたりしないで下さい。病院を受診しながらゆっくり治っていきますから。今は“過去の住人”になっていても、時は少しずつ少しずつ動いていくはずです。

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