統合失調症(以前は精神分裂病と言われていました)は代表的な精神病で、生涯発病率は100人に1人と誰でもなりうる病気です。この病気は社会生活に支障をきたす危険があり軽くみてはいけません。
症状は陽性症状と陰性症状があります。陽性症状とは幻覚、妄想、思考障害などで、陰性症状は気分の落ち込み、意欲低下、感情鈍磨などです。脳の神経伝達物質の乱れが原因とも言われていますが、はっきりとした原因は不明です。治療法は薬物療法が主体となりますが必要に応じて入院治療も行います。その他に時期、状態に合わせて電気けいれん療法(ETC)、作業療法、心理療法、などがあります。薬物療法では“抗精神病薬(メジャートランキライザー)”がメインに使われています。
統合失調症は突然発症する事もあれば数日、数週間かけて発症する事もあるようです。この病気では本人が「統合失調症かも」と自分の病気を疑うケースはなく、もし身近な人が何かおかしいと感じたら専門医に相談しましょう。早期発見早期治療が一番です。ただ患者自身が病院へ行きたがらないという問題があります。病気であるという認識がないために「病気でもないのに無理矢理連れていこうとする」と悪意に感じてしまうのです。なので騙したりして病院へ連れて行かない方がいいでしょう。また幻聴や妄想があるので「敵」と周りの人を思ってしまいます。何より大事なのは日頃からの“信頼関係”だと思います。その上で治療の必要性を話しましょう。「自分は病気で治療が必要」と認識し、自主的に通院出来るようになることがまず第一歩です。あとは医師の指示通りに薬を飲みましょう。
回復への道のりは長いですが、きちんと治療を受ければ治る病気です。患者本人も周囲の人も悲観的にならず気長に付き合っていく必要があります。
悲しいことに偏見を持つ人もまだ多く、言えない、恥ずかしいなどといったつらい思いをするかもしれません。でも「病気」なのです。偏見を持った人だってかかるかもしれないんです。もしかするとわからないだけで、友人や知人の中にも同じ病気で苦しんでいる人もいるかもしれません。偏見なんかに負けず、治療して社会復帰を目指しましょう。

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