Middledream
□氷解させる愛〜最終話
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それは
悲しい悲しい
二人の運命
二つの運命は
今、交わる
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「ネジは、私を迎えに来てくれる人なの・・・?」
全ての真実を、
教えて下さい。
私が前に進むために。
「オレは───…」
「父が死に、全てを包む闇に落ちた気がした。何度も全てを諦めたりもした。だが光を消すことはできなかった・・・
聖奈、お前ときっとまた会えると信じていたから」
「!」
やっぱり、やっぱりアナタは・・・!
「日向・・・ネ・・・ジ・・・」
あのとき両親が殺されたり、私は殺されかけたりのショックでほとんど幼い頃の記憶がなかった。
でも確かに、これだけは知っていた。
〈私には、迎えに来てくれる「ひ」から始まる少年がいる〉
籠の中の鳥という運命を強いられたにもかかわらず運命を乗り越えた強い瞳を持つ少年。
私は彼が来ることなんて忘れてしまうくらい諦めていた。
でも彼は諦めなかった。
そしていま、ここに、目の前にいる───・・・
「やっと見つけた・・・聖奈・・・!」
あの船で抱きしめられたときとは違う、優しい抱きしめられ方。
そっと私も彼の背中に手を回した。
「ネジ・・・待ってた、ずっと、ずっと待ってたよ・・・!!」
嬉しくて嬉しくて、気づけば涙が溢れていて止まらなくなっていた。
「もう離さない。今度こそお前を守り通す、任務ではなく、オレの意思で」
その温かな強い言葉に聖奈は強く頷いた。
「あり、がとう・・」
その言葉に微笑するとネジは白眼を発動させた。
(…!敵がいない…シュガは・・・もう終わりだな。ふもとまであと少しか…)
「向こうは問題ない。そろそろ合流地点に行こう」
「うん」
そうして体を離しネジが立ち上がったときだった。
バタッ
「・・・え?」