日向の
□初デート
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お菓子よりも甘い
甘いひとときを頂戴
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今日は私にとって特別な日。
今日はネジ兄さんと新しくできた遊園地に一緒に行く日。
今までも一緒に出かけることはあったけど恋人になってからだとこれが所謂、初デートになる。
初デート、その言葉がなんだかくすぐったくて甘くて…ドキドキする。
そう思いながら私は待ち合わせ場所でネジ兄さんを待っていた。
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しばらくしてネジがヒナタの前に現れた、もちろん待ち合わせの5分前に。
「待たせたか…?ヒナタ様」
息を切らしている、どうやら走ったようだ、というより急いで慌てていた感じもする。
忍であるネジが、ちょっと走っただけで息切れをするわけがない。
「兄さん大丈夫?かなり息を切らしているから…」
「ああ…大丈夫だ。ちょっと慌ててしまって…行こうか」
そう言ってネジはヒナタに優しく微笑んだ。
昔ならありえない光景だろう…しかし今はそれが叶っている、嬉しくてヒナタは笑った。
「はいっ」
そして遊園地まで歩き出した…もちろん、手は繋いで。
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遊園地に着いてすぐの印象はただひとつ。
オレには合わなさそうな雰囲気だということだ。
しかしヒナタ様は今日は薄桃色のワンピースに白い薄手のカーディガンを羽織っている格好でオレに比べたら断然馴染んでいる。
ちなみにオレは半袖のジャケットにジーンズとかなりラフなもの、しかしこれに決めるまでかなり迷い最終的に慌てる羽目と情けないことになってしまった。
「まず何乗る?ネジ兄さん」
楽しそうにはしゃぐヒナタ様を見てオレも思わず笑ってしまう。
「ヒナタ様が自由に選んでいい、オレは疎いからな」
そして最初にいきなりヒナタ様の要望でジェットコースターとなった…しかもぶら下がり式のもの。
数分後、少し酔ってしまったがヒナタ様に気づかれないよう普通に振る舞う。
「少し休みましょうか」
と優しく言われ気づかれていたと苦笑いをした。
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それからいろいろなアトラクションに乗ったが…ネジにとって強烈だったのはやはりあのジェットコースターだった。
「ネジ兄さんお化け屋敷どうだった?」
「作り物にしてはよく出来ていたな」
夢のないことを口にしたネジにヒナタは「現実主義なんだから」と笑った。
そのとき…
「あれっヒナタちゃんとネジじゃない」
振り向くと目の前には見慣れた二人がいた。
「リーとテンテンか」
「あ…こんにちは」
ヒナタ様が挨拶をすると四人で話し出した。