日向の
□線香花火
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儚く輝け
小さな光
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あの婚約騒動から3日後、ヒナタはネジと共にヒアシの前にいた。
理由はもちろん…あの話をするため、もうあんな話がないように。
ネジが手を床につき土下座して言った。
「…この前も言いましたが…ヒアシ様、ヒナタ様を私に下さい!」
ヒナタはネジに続いて深く頭をさげた。
言わなければ、ネジと同じ意思だということをヒアシに…凛とした声で、ヒナタはヒアシを見る。
「父上…私は宗家、ネジ兄さんは分家です。しかし私はそんなことを受け入れたくはありません。身分が違おうと離れる気はありませんお願いします!」
自分の言いたいことを言ったとき…ヒアシはふっと笑い、顔をあげるよう促した。
「この前も言ったが、私は二人を認めている。自由に生きろ…4日後婚約発表を行うつもりだ」
その言葉に2人はぱぁっと微笑しまた深々と頭を下げ言った。
「ありがとうございますっ…」
改めて自分たちの気持ちを伝えて認められた…それがとてもうれしかった。
「何…ミズソラも望んでいるだろう」
ヒアシはそういいながら隠し扉を開きミズソラの写真を見つめる。
ネジは「ミズソラ様…」と呟いた、ヒナタもまた「母上…」と呟いた。
『私は、父上や母上のような、立派な忍になりたいです!』
そう誓ったアカデミー生の頃、入学してすぐに母は逝ってしまったが…あのときの誓いは今も揺るいでいない。
ヒナタとネジは誘われるように仏壇の前に座り手を合わせた。
「母上、私、幸せになるから。安心して見守っていてね…日向を守るから」
「ヒナタ様はオレが幸せにします。ミズソラ様」
その光景をヒアシは見て、また笑ったのだった…