日向の
□届いてくれ
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想いは見えない
伝わらない、
以心伝心なんて有り得ないんだ
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シカマルは女向けの店の前にいた、そこはピンクなどで彩られている店で男のシカマルにはとても入りづらい。
なぜここにいるか?それは…シカマルが大好きなテマリの誕生日プレゼントを買うためである。
シカマルの作戦はいたって簡単、誕生日プレゼントを渡して告白しようという誰でも思いつくものだ。
砂隠れの忍で本当は誕生日はまだ先だがテマリはちょうど任務で今木ノ葉にいる、渡すならいまなのだ。
女なんてめんどくさいと普段は思うがシカマルはテマリになるとそう思わない、それが恋というものなのだ。
そのとき、聞き覚えのある声がした。
「シカマル?」
「………いの」
山中 いのがそこにいた。
「なにやってるのあんた〜そんなところで」
…悔しいがこいつにしかもう頼めない、男一人でこんな煌びやかなところにいるより女がいたほうがまだ怪しまれない。
シカマルはプライドよりテマリを取った。
「いの!ちょっと手伝え!!」
「は!?ちょっとなんなのよー!」
シカマルは強引にいのにプレゼント選びを手伝ってもらうことにした。
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いのに協力してもらいようやくシカマルはプレゼントを買えた。
「しっかしシカマルがテマリさんを好きとはね」
「それを言うな」
いのがニヤニヤ笑いながらそう言うとシカマルは一気に顔を赤くしてそっぽを向いた。
それからも雑談しながら歩いていると宿への道にたどり着いた。
「じゃっがんばりなさいよ」
「悪いな、いの。じゃあな!」
シカマルはテマリを呼び出しに宿の中に入った。
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その数十分前…テマリは任務が終わって1日休みを火影からもらい、甘栗甘でもいこうかと外を歩いていると…見てしまった。
シカマルが女と可愛い店に入る姿、楽しそう、テマリは硬直した。
その雰囲気はまるで恋人同士のようで…いたたまれなくなりテマリはそこを離れた。
(そうだ……別に私が勝手にシカマルが好きなだけで…シカマルは任務なんだよな……)
少し落ち込みながらテマリは宿に戻った。
もちろんテマリは知らない、シカマルはテマリの誕生日プレゼントをいのと探していただけなんてことを。