日向の
□羽ばたいた
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日向宗家───…
「ネジはヒナタとは絶対に嫌だろう…それなら…………」
愛情はたまに人を苦しめる……
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ネジはヒアシに呼ばれ日向宗家に向かい由緒正しき門をくぐり通路を歩いていたとき…見知った人物がそこに屈み込み泣いているのをみた。
「ヒナタ様!?」
そう、ヒナタが涙を溢していたのだ。
「ネ……ジ…兄さ……ん……」
「何があった?」
宗家ではヒナタに敬語を使っているネジだが敬語を忘れるほど動揺しながらもネジは屈み込みヒナタに問いかけると嗚咽をあげながらヒナタはその人の名前を呟いた。
「父上が……」
ネジはその言葉に首を傾げながらも嫌な予感、というものを悟った。
「いまヒアシ様に話があると言われたので行くところだから…何があったか聞いてくる」
だから待っていてくれ…という言葉にヒナタは何も答えずただ頷いた。
ネジはそれを確認してすぐにヒアシのもとへ向かった。
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「失礼しますネジです」
がらっとあけるとヒアシ様はそこにいた。
「ネジ…顔色が悪いぞ?」
ネジの顔色は不安で青くなっていた、それもヒナタに対する思いがあるからで。
「ヒアシ様…ヒナタ様に…何を言いましたか?」
「あの話か…ネジ、お前をハナビと婚約させる」
「ッ…なぜですか!?」
「お前は…ヒナタが憎いだろう?でも呪印があり逆らえない…それなら…」
「違います!」
ネジはヒアシの言葉を遮り叫ぶように大声をだしその言葉を制した。
普段自分にそんな大声をあげないヒアシは眼を見開いた。