日向の
□木ノ葉と砂の壁
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心と心の対話は難しい。
壁を越えることは難しい。
意見の相違はしばしば、
女心など理解できない。
それでも、
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いつも、口癖は「めんどくさい」。
任務も最近は真面目にやっているがやっぱりめんどくさくて、雲はいいなぁと思う日々。
はっきり言って忍はオレには似合わない職業、しかし奈良一族に生まれた以上これは宿命だ。
そして今日もぼんやりと昼寝…のつもりだったのに、火影に呼ばれ渋々向かうことになった。
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「お前には明日から砂の忍に里案内をしてもらう」
いきなりそんなこと言われても…と、思わずシカマルは小さくため息をついてしまった。
里案内など普通の任務よりは楽だが対応に面倒だ。
だがしかし、雲みて昼寝してぇ・・・とは流石に言えなかった。
なぜなら…五代目火影である綱手様はにこりと笑っていて、その笑顔はまるで般若のように恐ろしいオーラを醸し出していたからだ。
だらだらと汗が額を伝う、逆らえば殺すと、耳元でささやかれている気分だ。
面倒だが命は惜しい、それがシカマルが任務を受けた理由だった。
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しかし、次の日シカマルが火影邸に着いた途端、彼の口元に自然に笑みが零れた。
そこにいたのがテマリだからであり、なぜかシカマルはテマリの案内をすることになっていたからだ。
面倒だ面倒だと昨日まで逃げていた自分を殴りたい。
その気持ちを抑えて、ぴしっとシカマルは背をただした。
しかし、シカマルの気持ちとは裏腹にテマリは、とても困った顔をしていた。
「何かあったらすぐ切り刻んでやるからな・・・」
…どうやら、あまり信頼はされていないようだ。
サスケ奪還任務の時以来、少しは親しくなったのだが…そう思い込んでいたのは自分だけか。
確かに以前は対立していたのだ、当たり前かもしれない。
警戒するテマリにシカマルは少し苦笑して、「何もしねーよ!」と言ってから、渋々だったはずが今は嬉しい里案内を始めるのだった。