二羽の鳥が羽ばたいて

□5.違和感の確信
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ねぇお願い追いつめないで、

ねぇお願い気づかせないで。

あなたは何がしたいのですか?

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「待たせたな…『中忍選抜第一の試験』試験官の森乃 イビキだ…」

その傷だらけの風貌や威圧感に、ほとんどの人が身震いする。
しかし、そんなことは構わないというように、イビキは音忍を指差す。
彼らはバツの悪そうな顔をして笑っていた。

「音隠れのお前ら!
試験前に好き勝手やってんじゃねーぞこら!いきなり失格にされてーのか」
「すみませんねぇ…なんせ初めての受験で、舞い上がってしまってつい…」
「…試験官の許可なく対戦や争いはありえない。
許可がでたとしても死に至らしめるような行為は許されん。
オレ様に逆らうようなブタ共は即失格だ。わかったな」

その言葉にほとんどの人が黙り込み、イビキは漸く試験開始の言葉を告げた。

「ではこれから中忍選抜第一の試験を始める…志願書を提出して代わりにこの座席番号の札を受け取りその指定通りの席に着け!
その後、筆記試験の用紙を配る」

その言葉の後に、たった1つだけ、ナルトの叫び声が響いた。

「ペッペーパーテストォォォオ!!」

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指定された席の後ろにはサスケがいた。

「!…舞衣さんか」
「あははっごめんなさいね。あたしで…サスケ君?」
「…呼び捨てでいいです」
「そう?分かったよ。じゃあ改めてよろしく!サスケ」
「…はい」


「試験用紙はまだ裏のままだ。そしてオレの言うことをよく聞くんだ。
この第一の試験にはルールがいくつかある。黒板に書いて説明してやるが、質問は一切受け付けんからよーく聞いとけ」

「一つ、最初から受験者には満点の10点が与えられている。問題は全部で10問、不正解だった問題数だけ持ち点から引かれる減点方式となっている」

「二つ、試験はチーム戦。つまり3人1組の合計点…ちなみに30点満点で競われる。
但し4人1組の班は持ち点が7点となる。つまり28点満点だ」

「三つ、カンニング及びそれに準ずる行為を行った際、その行為1回につき持ち点から2点減点される。
そして最後に…試験終了時までに(カンニングにより)持ち点を失った者、及び正解数が0だった者は失格とする。
また失格者が所属する班は全員道連れ不合格とする!」

「・・・無様なカンニングを行った者は自滅していくと心得てもらおう。
仮にも中忍を目指す忍なら……立派な忍らしくすることだ」


「試験時間は1時間、よし…始めろ!!」


そう言われた瞬間、舞衣は用紙を表にした。
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