戦国迷い道
□モノノケのなく頃に
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「はろいーん?」
妙な発音で言葉を口にしているのは武田の武将、真田幸村である。
幸村は聞き慣れない言葉に首を傾げ、目の前の武将を見つめている。
「ハロウィンだハロウィン。」
そんな幸村に対して面倒臭いと言わんばかりの返答をするのは石田三成である。
「で、ハロウィンがどうした?」
「つまりアレだ!!私と共にハロウィンなる儀式を、やってみないか!?」
興味なさげに問い掛ける三成に対し答えるのは、イカ……もとい直江兼続。
ことの成り行きは、こうである。兼続がハロウィンという異国の祭りのことを聞き、興味を持った。
なので兼続が実際にハロウィンとやらを行おうと言い出したのだ。
「……それで、何故俺がそんなこt「まぁまぁ三成殿。それで、はろういん…とやらは…どういった祭りなのですか?」」
それでも文句を言おうとする三成を宥めた幸村が、兼続にハロウィンのルールを問い掛けた。
「それが…詳しくは……わからぬのだ」
「「は?」」
沈黙の後に返ってきたのは、二人の間の抜けた声。
だが無理もないだろう。
ハロウィンをやりたいと言い出した本人がハロウィンのルールを知らないのだから。
「ルールも知らんくせにくだらない用事で俺を呼ぶな」
「またれよ三成殿!しかし兼続殿。ならば何故、はろういんを?」
「放せ幸村!しかもはろういんではない、ハロウィンだ」
殺意むき出しの三成を止めるべく、兼続は急いで言葉を挟んだ。
「待て三成!確かに私はハロウィンとやらについて詳しい訳ではない。しかし一つ確かなことがある」
それは、と自信ありげに言う兼続を三成はジロリと睨み、幸村は期待を込めたキラキラした瞳で見つめている。
「何でも人外に……つまり“モノノケ”の姿に化けて行う祭りで…あ、それと菓子が鍵となるらしい」
「……」
「な、成る程……」