BL短編

□毎日一緒2
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午前4時、夜明け前。

俺の朝は早い。




『毎日一緒2』




「はあ〜・・・・」



まだ完全に起きてない、重たい体を引きずって俺は台所に向かう。
4時。まだ謙也さんを起こす時間まで1時間ある。
それまでに朝食を作り、その上でけんやさんのお昼のお弁当を用意せなあかん。



(昨日使た鶏肉が残っとるな・・・・)








謙也さんと同棲するにあたって、俺らは事実上結婚したようなもんやった。



謙也さんの仕事はとても時間が不規則。

むっちゃ朝早かったり、逆に朝になって帰ってくることも少なない。


だから俺は就職をせずにフリーター(なんや聞こえ悪いけど、)の道を選び、けんやさんだけのおヨメさんになるんに決めた。



俺が家事をしなければ、生活が成り立たんのや。





おれがおらんと、けんやさんはまともな生活が、できひんのや。








カシャカシャ





卵をかき混ぜる。

きょうはフレンチトーストを朝食にしよう。

それでお弁当は、謙也さんの好きなからあげを入れてあげよう。



謙也さんのためにゴハンのメニューを考えるのは好き。



なんやら餌付けしとるみたいで、気分がいい。





(あ、もうすぐ謙也さん起こさなあかん・・・・)





今日は冷えるし、謙也さんなかなか起きひんやろうから、いつもより少し早めに起こしに行く事にした。




「あれ?ひかる、ちょい早いやん。」




俺が寝室へ行くと、なんとびっくり。

あの朝が弱い謙也さんが珍しく自分で起きて、すでに着替えもすませとった。









「どーしたんや謙也さん。
あんたが自分で起きるなんてめずらしいちゃいます?」




「あーおはよひかる。
なんかなあ、寒て寒て起きてしもたんや。」




「いつもは布団ひっぺがえしても起きひんのに・・・・」




「やってもう冬やーん。」




「・・・そおやなあ。」






むぎゅーっと謙也さんが抱きついてきたかと思ったら、




「おわあっ!?」




バーンとベットの上にほんなげられた。


・・・朝から何考えとんねん、このヒヨコ。





「・・・・はあ、ひかるあったか・・・」




「・・・俺、低体温ですけども」





「んー、しっとる。でも人の体温はやっぱええもんやなー」





は?なんじゃら意味わからへん。
俺の腰らへんに手を回したけんやさんは、また眠たそうな顔をする。





「今日は気温低いから、光が隣におらんと寒てかなわん」





「・・・・やからめずらしく早よ目覚めたん?」




「おん。いつもあったかいんに今日はえらい布団冷たいな、て。」






「・・・・なら、毎日その方法で起こしますわ」





えー!そんなんなんか寂しいわ!
と言って笑うけんやさん。
はあ、ほんま素直で可愛い人や。

謙也さんはいつも俺をかわいいかわいいって言うけど、けんやさんこそかわええと思うで。無邪気で。








「・・・なんやら、またねむなってきた・・・・」







ねたらあかんよけんやさん。
せっかく俺が作ってやったフレンチトーストとからあげが無駄んなってまうから。







朝のひとこま

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