BL短編

□毎日一緒
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それから俺はここらでうまいって有名なホテルにディナーたのんで、仕事を定時で上がらしてもろて、ペアのネックレスを買いにいった。


・・・1年前、光にあげた指輪と同じブランドの物を。






「・・・ひかるっ!

ただいま!」


しーん。
・・・すねて寝とるんやろか。




ガチャ。
寝室のドアを開けると、案の定光がベッドで転がってた。




「おかえりなさい。
今日早かったんとちゃう・・・・」



「何しとんねん!」



「・・・は?
帰ってきて早々なんやねん」



「ええから!
はよ着替え!
予約時間過ぎてまうやん」


「予約て・・・・・
ほんま何?」


ちょっとイライラ気味の光。
朝喧嘩して、記念日まで忘れてしもて。
当たり前やな、ごめんなひかる。



「ひかる、ごめん

俺、忘れてしもてた」



「・・・・」



「・・・いつも俺のためにご飯作ってくれてありがとな。

いつも清潔な服着せてくれてありがと。

いつも、俺の我が儘聞いてくれてありがとう。」



「・・・・けんやさん、遅いわ・・・・」




「ごめんな・・・・・

朝怒ったんも、ほんまに俺のせいやったんやな。


俺、ホテルのレストラン予約したんや。


・・・・・一緒に行ってくれへん?」



あやすように、ひかるの頭を撫でながら言った。
ひかるが泣きそうな顔だったから。
俺がこんな表情にさしてしもたんやなって思うと、俺まで泣きそうになる。



「・・っ、けんやさん、さいあくや」



「・・・・うん。」



「自分から言っておいて忘れるとか、ほんまひどいわ」




「・・・・・・ごめんなさい。」



「おれはっ、今日ちゃんと覚えてたしっ、」



「・・・うん・・・」




「楽しみに、しとったんや」




「そうやったんや・・・・

ごめんなあ、ほんまごめん。」





本格的に泣き出した光の背中を一生懸命撫でる。
ごめん・・・ごめん。
あ、なんやほんまに俺も泣きそうや。





「・・・・・ま、しゃーないから一緒にレストランっ、行ったる・・・・」





「・・・・ほんま?」





「・・・・・・ほんま、や」







むぎゅっ、て光が抱きついてくるもんやから。




「もおあかん

大好きやひかる・・・・・」



「・・・・っ、なんでけんやさんまで泣いとるんすか・・・!」




「だって光ほんま恐かったんやもん・・・・

怒鳴るし、最初はワケわからんだし・・・・」



「・・・・自業自得や・・・」







とりあえず準備しましょ、
って言う光の顔は少し赤くて、あんまりにも幸せそうやったから。

なんだか俺は急に光が愛しくなって、涙でしょっぱい唇に小さなキスを落とした。





*
長かった・・・・!
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