文の頂き物
□Booty In 中国
2ページ/2ページ
「な、何をする!?」
驚いてジタバタ暴れる元就を政宗は簡単に押さえる。
「初々しい反応するんだな…cuteだ」
「キュ…?」
首を傾げる元就に、優しく微笑んで政宗はスタスタと進み始める。
「お、降ろさぬか!!我をどうするつもりだ!?」
「安心しろ。アンタ…元就は殺しやしねぇ」
「な…んだと?」
政宗の言葉の意味が分からずに、元就は不安げな瞳を政宗に向ける。
(うっ…!)
仔猫の様な元就の表情に、何とか理性を保った政宗は出来る限り優しく言った。
「元就には俺と奥州に来てもらう」
「…人質にでもする気か」「No!そうじゃねぇよ」
「なら…何の為だ…?」
「…元就を側に置きたいだけだ」
「…は?」
予想外の発言に、ポカンとしてしまう。
(この男…今…何と…?…我を…側に置く…?)
固まってしまった元就を見て、政宗はフッと笑うと、そっとその額に口付けた。
「っ!!?き、貴様、何を…!?」
「さっき言っただろ?元就を側に置くって…な」
不敵に笑う政宗に、元就は違う意味で恐怖を感じた。
「は、放せ!今すぐ我から離れろ!」
暴れ始めた元就に、政宗は一瞬驚いたが、すぐに元就を抱く手に力を込める。
「Ha!!嫌だね!!…折角見付けた極上の宝石だ…。誰が手放すかよ」
「〜…っ!」
力では敵わないと分かっていても抵抗せずにはいられない元就は、腕を突っ撥ね政宗から少しでも離れようとする。
すると、そんな元就の諦めの悪さに痺れを切らしたのか政宗は声を低くして耳元で囁く。
「Hey …大人しくしといた方が身の為だぜ?honey?…ここで奪われたいか?」
「!!」
政宗の発言に肩をビクリと震わせて、元就は大人しくなった。
「Good. イイコだ…」
そう囁いて、耳元に軽く口付けてやる。
「ひゃっ…!」
「!」
驚いて出てしまった声に、元就は慌てて口を押さえるが時既に遅し…。
可愛らしい声は政宗の耳にバッチリと届いていた。
(…優しく出来っかなぁ…?俺…)
政宗がそう思っていると、前方から、よく知る部下がこちらにやって来た。
「政宗様!」
「よぉ、小十郎!」
「お怪我はっ…?その方は…元就公…?」
政宗の腕の中で真っ赤な顔をしている元就に気付いた小十郎が僅かに首を傾げ、政宗を見る。
政宗は元就を愛しげに見詰めて、小十郎に言った。
「コイツは今回のparty の一番の戦利品だ」
「…なるほど」
その一言で、全てを察した小十郎は元就に向き直り、跪いてこう言った。
「奥州は、貴方を歓迎致します。…奥方様」
「っ!!なっ!?」
「〜♪Niceだ、小十郎!」「では、私は先に戻り部屋などの準備をして参ります。お二方はゆっくりといらして下さい」
「Thanks!…だが、元就の部屋は俺と同じでいい」
「!!?」
「…では湯浴みとお着替えの用意でも致します(汗)」「宜しく頼むぜ」
小十郎は少し呆れた様子で準備の為に戻っていった。
「…だ、伊達政宗…」
「何だ?honey?」
「わ、我を見逃して…」
「却下だ」
「……(泣)」
…元就は抵抗も虚しく伊達軍の船へと連れていかれ、そのまま奥州の地を踏む事になったのだった…。
彼が政宗から操を守れたかどうかはまた別の話…。
【終わり…?】