文の頂き物

□Booty In 中国
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…日輪が海に沈む頃、奇襲を掛けてきた伊達政宗との戦いに敗れた毛利元就は、刀を納める政宗の前に両膝を付き、俯いて敗北感に耐えていた。
握り締めた拳は悔しさの為か震えている…。
           
「勝負あったな…。中国は奥州が頂くぜ」
「…」
            
政宗の言葉にも元就は顔を上げない。
            
(…可愛いげのねぇヤローだな…。顔ぐらい見せろってんだ)
            
そう思った政宗は、元就の目線に合わせる様にしゃがんでもう一度声を掛けた。

「おい、顔ぐらい見せろよ。毛利元就サンよぉ?」
「…これから…殺す者の顔など見てどうすると言うのだ?…その様な戯言を言っていないでさっさと我を殺せば良いだろう…」
「…(怒)」
            
元就のあまりにも可愛いげの無い態度に苛立った政宗は、元就の顎に手をやると無理矢理顔を上げさせた。            
「っ…!」
            
その弾みで、今まで元就の素顔を隠していたオクラ型(笑)の兜が取れて、地面に転がった。
            
「…!!」
            
元就の素顔を見て、政宗は絶句した。

…まるで陶器のように白い肌、琥珀色の透き通った瞳に柔らかそうな唇…。
整い過ぎたその顔は夕日を浴びて、より美しさを引き立てている…。
            
「…Beautiful…」
「何…?」
            
思わずそう呟く政宗を元就は怪奇そうに見た。
            
「アンタが綺麗だって言ったんだよ…。すげぇ上物…本当に男なのか?」
「なっ!!?わ、我を愚弄するか!?」
            
一瞬にして頬を朱に染めた元就を見て政宗の中で何かが吹っ切れた…。
            
「…っ!?」
            
今だに顔を赤くさせている元就を、政宗は素早く抱き上げた。(勿論姫抱き(笑))
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