パラレル創作

□Dose it follow that?
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―日曜日。







九時過ぎに家の外へと出てきた芽衣はどこか浮き足立って見えた。



可愛らしいボレロの上着に細かいプリーツのミニスカートとタイツ。



おしゃれをしているように思うのはきっと気のせいではないだろう。



何かを堪えきれないようにくすりと笑うと、一瞬だけ上を見る。



キールのいる窓の方に彼女の顔が向いた気がして、彼は慌ててカーテンの影に隠れた。



腕の時計を気にしながら駅の方へと向かう彼女の姿を見届けると、キールは窓から目をそむける。



かれこれ二時間、窓辺にいた彼はどさりと椅子に腰を下ろした。






「………。」






…眉間に寄った皺をほぐすように手を当て、溜め息をつくと眼鏡をはずす。



何だか全部煩わしい気がしてしょうがなかった。



あれからずっと芽衣の事が気になって仕方ない。



嘘を言われたことがそんなにショックだったのか問われれば、頷くべきかどうかも分からない。



ただ、とにかく知りたかった。



しかし好奇心、というのは違うつもりだ。



この何だかもやもやする気持ちを納得させるだけの答えが欲しかった。



結局誰なのだろう。



そして芽衣はこれからずっとそいつと付き合うのだろうか?



…確かに自分には直接関係無いことかもしれないが、とにかく明瞭な事実を目の前に示して欲しかった。



分からなくて、いらいらするのは好きじゃない。






「……。」






ここ数日、気になって芽衣を見ていた。



…誰が、ということが一番知りたかったから。



きっと側に寄ってくる奴だろうと思って、話し掛けてくる男を気をつけて見てみたけれど分からなかった。



彼女はあの通りの性格で、誰に対しても臆するということを知らないからとても交友範囲が広くて。



男子女子の区別無く人気者の芽衣は、周りにたくさんの人間が集まってくる上、その接し方は誰にでも同じようで区別がつかない。



そして結局何の情報も得られないまま当日を迎えてしまったことが、尚一層キールに苛立ちを感じさせていた。






「………。」






…帰ってきたら、彼女に直接何処に行っていたのかと訊いてみたい。正直に言えばそんな気持ちが自分の中に大きくわだかまる。



…実際訊けるはずも、無いのだが。



でももし訊けたとしても、またそこでも嘘をつかれたらどうすればいいだろうか。



いや、自分自身、本当の事を教えてもらえるとは最初からあまり思っていないのだ。



彼女がきっと言いたくないだろう事は分かっている。



芽衣が何をしようと芽衣の勝手なのだ。…それは、分かっているつもりだ。



第一、自分にはそんな風に詰問するような権利はないだろうに。






「……メイはメイ、俺は俺…だな。」






関係無い。関係無いんだ。



キールはそう、強引に結論づけると眼鏡をかけなおして机にと向かった。





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