シリアス長編創作

□姿を求めて
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…ディアーナは、シオンを探していた。

あの日から、彼とはまともに会っていない。

いつ行ってもシオンの姿は執務室に無く、たまに見かけても忙しそうに他の人と話している。

声をかけると忙しいからと言われてしまう。

表面上はいつもと変わらない笑顔。その仕種。

…でも、決して自分と目を合わせようとしてくれないのだ。彼は。



(…どうして…)



自分は何か彼の気に障るようなことをしたのだろうか。あの事件の事だったら言ってくれればいいのに。叱ってくれればいいのに。

…ごめんなさいを言う暇も無い。

徹底的に避けられているのだから。

いくらディアーナでもそれは分かった。

―完全に避けられている。

彼は、朝はディアーナが起きるよりも早く、そして夜はディアーナが休まないといけない頃になってから戻ってくるようだった。



(…何でですの?)



いつでも遠慮なく触れてきた手が見詰めてきた瞳が側にいない。

寂しいと思った。

自分は嫌われてしまったのだろうか。

それは嫌だった。

だって自分はシオンのことが大好きなのだから。



(訊いてみましょう。それで、怒っているなら謝って許してもらいましょう)



そう思い、今日もディアーナは彼を探していた。




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