短編創作
□至上の色
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アクアは、大きな目を瞬かせ、眉間にしわを寄せた。
目の前には至近距離にシリウスの顔。
いつも陽気な彼が、自分をジッと見詰めて何故だかひどく難しい表情で唸っている。
「う〜む。」
「…シリウス?」
「う〜〜〜〜ん…。」
「ちょっと、なに?」
「あ〜あ…。」
「シリウス!」
「…イマイチ。」
怪訝そうなアクアを完全に無視して唸りまくった挙句、シリウスはぽつりと呟き、がっくりと肩を落とした。
―いま、いち?
ぷつっ
―ぽかっ!
ついに切れたアクアの小さな拳骨がシリウスの頭を直撃する。
「イタッ! アクア!?」
「さっきから、いったいなんなの。」
驚いて頭を押さえるシリウスと、拳を握り締めているアクア。
静かに怒りを湛えたアクアの様子に、シリウスはようやく自分が彼女の機嫌を損ねたことを理解した。