The turn of the star
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「お前には関係ないだろ」
むすっとした声でそう言えば、「自分から聞いてきたくせに」とぽそりと隣から聞こえた。
そして、むっつりと口を結んだ智和に彼女は小さく嘆息した。
その溜め息が智和の耳に届く。
「…………その、お前は、嫌か?」
暫く浚巡した後、意を決して智和は問うてみた。当然希美は聞き返してくる。
「何がですか?」
「だから、細かいことを言われたりするのは……」
「うーん、確かにあんまりしつこく言われるのは嫌かなぁ」
考えながら、素直に自分の意見を言う希美。その言葉に智和の肩がぴくりと震えたのにも気付いていないようだ。
「あ、でも、智和さんはその人の事を心配してるからこそ言うんでしょ?それなら、まぁ多少は我慢できるかな」
希美の発言に少なからずに気落ちした智和だったが、にこやかな笑みを向けられ僅かに持ち直す。
「そうか……」
「どうかしたんですか?なんか浮かない顔してますけど」
下から顔を覗き込んでくる希美に、「何でもない」と曖昧な声を返す。
それでも不審に思っているようだったが、それ以上深くは聞いてこなかった。
希美の返答を頭の隅におきながら、智和は数日前のある出来事を思い出す。
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