The turn of the star


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 久々に立ち寄ったその喫茶店「star」。そこで私は生まれて初めて本気の恋というものを知った――――。



 中に入るといつもと変わらない爽やかな笑顔と挨拶が出迎えてくれた。

 軽く会釈して、いつも使わせてもらっている席へと向かう。

「いらっしゃい、今日は一人なの?」

 冷水の入ったグラスとメニュー表を持ってきた青年が、首を傾げながら尋ねてきた。

 青年はこの喫茶店のオーナーの桑原雅紀。親友の兄だ。
 この喫茶店に通うようになったのも、初めて親友の家に遊びに来たことがきっかけだった。

 人懐っこい笑みが親しみやすく、この喫茶店に訪れる客層は幅広い。

「いえ、二人と待ち合わせです。今度のクリスマスパーティーの事で」
「そっか、もうそんな時期だったね」

 すっかり忘れてたと笑うオーナー。

「あ、今年もここでもパーティーするんですよね?」
「勿論!希美ちゃん達も是非来てね!みんなでやった方が楽しいからさ。じゃあ、注文は二人が来てからでいいかな?」
「はい」

 そんなとりとめもない会話を少し交わした後「ゆっくりしていってね」と彼はカウンターへと戻っていった。

 店内には数組のお客。カウンター席にスーツ姿のサラリーマンが一人。テーブル席にはカップルや親子連れなど。

 今は休日の昼下がり。お昼のピークは過ぎ、客はまばらだった。

 腕時計に目を落とせば、まだまだ時間に余裕があることが確認できる。

 待ち合わせの相手は幼馴染みの姉弟。
 道を挟んで向かいに建っているため、昔から家族ぐるみでの付き合いがある。花見やキャンプ、クリスマスのパーティー等、季節行事は毎年一緒に行うのが恒例だった。


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