闇の続く夜

□鳴かぬ蛍が身を焦がす
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「おはよ〜ございま…ブッ」

蛇噛は扉を開けて中を確認するなり吹き出した。
幸い、飴は手にもっていて落とす事はなかったが、必死で笑いをこらえているために震えている。

「どうしたんすか瀬尾さんっ…クッ…」

「黙れクソガキ…くそっ…」

言い返した瀬尾の頬には真っ赤な紅葉…とどのつまり手形が指の形までくっきりとついている。

「もしかして彼女さんっすか?」

「愛されてんだよバーカ」
瀬尾はヤケクソになって言い返したが、蛇噛のニヤケは一向におさまらない。

「へー…愛されてると頬に紅葉が出来るんすね〜」

「さわんじゃねーよクソガキ」

「おはようございます。」

瀬尾が蛇噛の人差し指を力一杯ひんまげようとした時、翡翠が入ってきた


「…立派な手形ですね。」

「ったくテメェもか翡翠」

「あの…その…あまりにもくっきりとしてるんで…」

「そうっすよ瀬尾さん」


「ったく…仕事だ」

瀬尾は頬に湿布を貼りながら書類に手をかけた
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