BOOK08
□09.濁った白
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白濁の液。
山本の口の周りにべったりとついたその白濁のそれは、見るだけで嫌悪感を増す。
あんなものを平気でおいしいと言って飲む山本の神経を疑う。
「山本…口、ついてる」
自分の口の周りを指で辿ると、山本は目を丸くさせて、腕でそれを拭った。
「あ、本当だ」
「バカ丸出し」
はあ、と溜め息を吐いて、嘲るように笑うと、山本が厭らしく笑った。
「獄寺も…飲む…?“俺の…”」
「だ、誰が、飲むかよ…お前のなんて…」
山本が白濁したそれを口に含む。
俺の頬を包んで、山本は顔を傾けて近づいてくる。
唇が合わさったと思えば、閉じる暇もなく、俺の唇を割いて舌を入れてきた。
山本の舌は俺の舌を掬い、俺の口内にさっき山本が含んだ白濁のそれを流し込んできた。
まるでそれを塗り込むように、山本の舌が俺の舌を舐める。
「んんっ、んうう!ぷはっ…」
山本の唇が離れると同時に、俺の口角から伝った唾液を舐めとっていった。
勝ち誇ったように笑う山本に、悔しそうに山本を睨む俺。
「どう?おいしかっただろ?」
「まずい…」
本当、牛乳なんて大っ嫌いだ!
End