BOOK08

□H.どうして分かってくれない?
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※患者×ナースパロ
※24山→獄
※R15



肩には燕の刺青がしてあって、顎には切傷がある。

いかにもアッチの世界の患者が一人部屋に入院してきた。

ソイツの部屋の担当になっちまった俺は、またか…と溜め息を吐いた。
いつも一癖ある患者ばかり担当になるもんだから。

まあ、女ばかりの職場だし、厄介なことは全部俺任せってか。

まあ別に、今の患者はそんなに嫌じゃねえけど。



山本武。
その患者はそう言って人の良さそうな顔をして笑った。

恐い感じなんか全然しなくて、それどころか、いつも悪ぃな、とか、ご苦労様だとか声をかけてくれる。

女にも人気がありそうな顔で、実際、うちの女看護師は暇さえあれば山本の病室へとしけ込んでる。


だから俺は仕事が減って大変楽して喜んでたんだけど。






そんなある日だった。

俺は夜勤で、もう一人夜勤だった奴は晩飯を食いに行っていた。

そして、ふと思い出す。
(そういえば、引き継ぎの時に山本さんの具合が優れない、と言ってたな…)

面倒だけどバイタル測ってみっか、と準備をして、山本の病室へと向かった。


病室へ入れば、山本は眠っていた。
まあ体温だけ一応測ってみるか…。

そう思い、寝着の前を緩く開いて、脇に体温計を挟もうとしたら、すごい力で手首掴まれて引っ張られて、中腰だった為に体勢も整えられず、患者様のベッドへダイブしてしまった。

いきなりのことで目を瞬かせていると、二人の男の重みでベッドのスプリングを軋ませながら、山本さんが俺に馬乗りになってきた。

全く意味が分からない。
なんだ、この体勢…。


「獄寺さん、最近来てくれなくてやっと来てくれたと思ったら、…夜這い?」

「は…?」

「嬉しいなぁ…獄寺さんから誘ってくれるなんてさ」


俺を見下ろす山本さんは口角をペロリと舐めた。


「違…っ!体温測りに来ただけで…っ」

「ここでさ、何もしなかったら男じゃねえよな…?据え膳食わぬは男の恥だっけ」


何言ってるか分からない。

俺は夜這いなんて…そんなつもりじゃなかった。
何で分かってくれないんだ。

逃げ出そうと体を捩るけど、手はしっかり押さえつけられてベッドに縫い付けられている。


「獄寺さん…あまり大声出さない方がいいんじゃねえの?」


壁が薄いから隣に筒抜けだからな。

ナース服の上着を捲りあげられて、好き勝手体を大きな手で這われる。

声が出ないように首元まで捲られた上着に噛みついた。


「そうそう、可愛いよ」


厭らしく笑みを浮かべる山本。

睨み付けると、涙目で睨まれても煽るだけだぜ、と嘲笑われた。


「ふっ、うぅ…」

「感じるんだ、ココ」


乳首を執着に嬲られて、変な声が出て、思わず全身に力を入れる。

こんな、こんなことになるなんて。
こんな恥辱を受けるハメになるなんて。


「獄寺さん、貴方に会った時から、俺のココ…ヤバイんですって」


獄寺さんだけにさ、可笑しいのかな。
なんか病気なのかな。

そう厭らしく笑った山本に、山本の下半身へと手を導かれ、山本の熱く滾った一物を握らされる。


「な、んで…俺、男なのに」

「こんな腫れ上がっちゃってさ、なあ看病してくれよ?」


治るまで、一生。

そう熱っぽく囁かれて、何も考えられなくなった。



End

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