お題

□5.アレが輝いて見えるのは何故なんだ
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弱ってるからだ…。
何だか山本がいつにも増してキラキラしてる気がする。


「熱いな…」


山本がよっ、と言って、俺の背中と膝裏を支えて持ち上げた。
バランスを崩さないように山本の腕をしっかり掴んだ。

山本は嬉しそうに笑って、暴れる俺をベッドに寝かせた。


「さてと…」

「あ…やまもと、」


立ち上がった山本の服の裾を、俺はいつの間にか、引き留めるように掴んでいた。

山本が固まったまま、顔が真っ赤に染まっていく。

慌てて裾を離して、何でもねえ!と、シーツを頭から被ってそっぽを向いた。


「ごくでら…」


シーツの上からそろそろと頭を撫でられる。
あ…、これは…こういう雰囲気じゃねえの…?
俺はぎゅ、と目を瞑った。


「獄寺…俺……」


きた…っ!


「このシーツ持って帰ってもいい?」

「はああ!?なんじゃそりゃ!普通ここは好きですだろーがあぁぁ!!」


ガバッと被っていたシーツごとはね除けるように起き上がると、頭がぐらりとして、ふらりと視界がよろめく。

あ、と思った瞬間、
おっ、と…と山本が俺の背中を支える。

大丈夫か?と問う山本の顔が近い…。
これは…もしかしなくても…そういう雰囲気だろ……!
羞恥を我慢して、静かに目を閉じて唇を窄める。


「獄寺……」


頬に手を添えられて、ドキドキと心臓が高鳴る。
沈黙と胸のドキドキで押し潰されそうなのがピークに達した……、と思った瞬間、

カシャッ

……ん?
恐る恐る目を開いてみると…、目の前にはカメラ……。


「へへ!今の獄寺すげえ可愛かったのな。色々使わせて頂きます!」

「何だ色々って!つーか俺の色々返せ……っ!」


熱が上がるのを感じながら怒鳴っていたら、ベッドの端に座ってた山本が俺の腕を引いて、俺は山本の胸にダイブしてしまった。


「な…っ」

「好きだ、なんて何回も言ってるだろ?獄寺…。」


耳元で囁いて、頬にキスをする。
優しくて、しがみつく山本の胸は驚くくらいドキドキと脈打っていた。


「唇へのキスは獄寺がよくなってからな」


「〜〜っ、ヘンタイ!」


覚悟しとけよ。
とウインクする。
くせーって思うのに、山本は妙に様になってるような気がする。
何だかキラキラしている。
なんで今日はコイツが輝いてみえるんだっ!?



End

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