お題

□1.にこやかにステップ踏むな
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ニコニコしながら、スキップにも似た変なステップで向こうから歩いてくる山本。
その横にはいつにも増して眉間の皺が増えている獄寺君。

ああ、俺、朝から疲れそう。
この電柱に隠れてやり過ごせたらどんなに楽だろうか。


「十代目…おはようございます…」

「げ、元気ないね…獄寺君…」


対して山本はというと…


「はよー!ツナ!」

「げ…元気だね山本…。何か良いことでもあったの…?」


よくぞ聞いてくれました!と山本が更に顔を緩める。
獄寺君は相変わらずイライラしていて、親指の爪を噛み始めた。


「今週の日曜日、獄寺とデートなのな〜」

「デートじゃねえっ!」


デレデレして話す山本と、山本の一言に突っかかる獄寺君の話を整理しながら、よくよく話を聞いていくと…

山本が獄寺君を映画に誘って、獄寺君は前々から見たい映画だったからオッケーした…。
けど獄寺君は俺も来ると思っていたらしく、山本に騙された、と機嫌が悪いらしい。

対して山本は獄寺君を上手く誘え、デートできることに浮かれまくっている。


「あー!楽しみなのなっ!」

「日曜日絶対に風邪ひいてやる!」


そんなに嫌なら獄寺君も断ればいいのに……。

まあ、何があっても獄寺君は行くと思うんだけどね。

何だかんだ言って、多分、獄寺君は山本のこと……


「はあ、俺、憂鬱で仕方ないッス。明日らへんマヤの予言か何かで地球滅亡してくれないッスかね?」


多分……
好きだと思う。
多分。


End

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